あいかわ公園 山野草図鑑

あいかわ公園で見られる様々な花たちを色ごとに紹介する図鑑です。(春132種 夏98種秋更新中)あいかわ公園で植物を見つけた際に花の色が分かれば、その色の図鑑を確認することで種類の特定ができます。スマートフォンなどで図鑑を見ながらお散歩することで、公園の自然をより楽しめます。花情報はどんどん追加していきますのでお楽しみに。

山野草図鑑 秋冬 黄色の花

園内で9月以降に見られる黄色の花を紹介します。
ヒメガンクビソウ
(キク科)
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場所:森のわたり橋より先のスギ林など
かなり独特な形をした植物で、先端に付いた花がうなだれるようにがっくりと下を向きます。この仲間には姿が似たガンクビソウの仲間が多数あり、恐らくヒメガンクビソウかサジカングビソウかと思われます。ここでは花の大きさが1cm程と大きかったのでヒメガンクビソウとしています。
名前が似たものにヤブタバコがありややこしいのですが、花が写真のように先端に付けばガンクビソウの仲間で、根元に付くようであればヤブタバコと見分けられます。
花の後には粘着質のタネができ、それを動物の毛などにくっつけて種子を飛ばします。



ハキダメギク
(キク科)
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場所:園内各所
黄色い筒状花(とうじょうか)と白い舌状花(ぜつじょうか)を持つとてもかわいらしい花です。堆肥を捨てるような場所に生えることから少し可哀そうな名前が付けられてしまっていますが、秋~冬にかけて安定して見られるいい花です。興味のある方はこの花を分解してみましょう。キクの仲間には1つのお花に見えて2つの花を持つものがいます。それが最初に用語として出した筒状花と舌状花です。形が全然違うのでぜひ見比べてみてくださいね。
似た仲間としてはコゴメギクがあります。姿はそっくりなのですが白い舌状花がとても小さいです。あいかわ公園では見つけられていません。




セイタカアワダチソウ
(キク科・特定外来種
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場所:石小屋ダムなど
秋ならば確実に目にすることのある大型のキク科植物です。繁殖力がとても強いため、一度侵入されてしまうと一気に陣地を広げます。
侵入した彼らは他の植物の成長を阻害する成分を分泌し、自分たちだけでその周辺を独占します。タンポポのように綿毛で種を飛ばすため、簡単に陣地を広げることができ、それでいてコンクリートの隙間などにも侵入できるのが彼らの強みですね。
外国原産の植物は、作業に使われる土砂や家畜飼育用の穀物に種子が混じって入ることもあるため、農地や河川沿いに多く見られます。
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名前の由来は背が高く泡のように見える花の姿にあります。これだけの花をつけるわけですから、タンポポよりもずっと多くのタネができることは想像しやすいですね。晩秋に花を咲かせることでその時期の虫たちにとってはとても貴重な蜜源です。


ヤクシソウ
(キク科)
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場所:山の神付近など
多数の花をつけ、非常ににぎやかな雰囲気を出してくれる秋の花です。ヤクシソウは花が似ている黄色の花たちとは異なり、非常にわかりやすい判別ポイントがあります。花ではなく葉に注目してみましょう。
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ヤクシソウの葉は根元をよく見てみると茎を抱っこするように付きます。花の雰囲気でも分かりやすいのですが困ったときには葉の形も見てみましょう。
上にあるハキダメギクは筒状花と舌状花の2種類の花を持ちますが、ヤクシソウは舌状花だけを持ちます。花の中央に見えるのは花ではなく、それぞれの黄色い舌状花に付いたおしべとめしべです。




コセンダングサ
(キク科・外来種
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場所:園内各所
時期:9月~12月
開けた土地や空き地、河川など様々な場所で見られる引っ付き虫の仲間です。花はとても地味なのですがタネがイガイガ状で服に刺さるため、子供たちがこれのある所で遊ぶと取り除くのが大変です。
センダングサの仲間にもいろいろな種類があります。コセンダングサは花が黄色の物だけな点と葉の形が特徴的なので分かります。
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このように頂点の葉っぱが大きく、それを飾り付けるように左右にちょんちょんと小さな葉が出ます。同じ外来種アメリカセンダングサは葉が細いので葉だけでも見分けられますよ。



コシロノセンダングサ
(キク科・外来種
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場所:冒険広場下
時期:9月~12月
コセンダングサの変種とされていて、黄色い花だけであったコセンダングサに小さな可愛い白い花びらが付いているのが特徴です。コセンダングサは筒状(とうじょう)の花だけなのですが、コシロノセンダングサは筒状と舌状(ぜつじょう)の2種類の花を持つことになります。あいかわ公園で見られるセンダングサの仲間は上記2種です。この2種もセンダングサらしい種をつけます。
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写真でピンと来た方も多いでしょう。黒いイガイガ状のアレがセンダングサのタネです。種だけでも種類を判断することができます。イガの先にある突起の数に注目してみましょう。コセンダングサの仲間であれば先が2~4つに分かれ、抜けないように返しが付いています。
アメリカセンダングサの場合は先端は2つに分かれ、コンセントプラグのような姿をしていますよ。