あいかわ公園 山野草図鑑

あいかわ公園で見られる様々な花たちを色ごとに紹介する図鑑です。(春132種 夏98種秋更新中)あいかわ公園で植物を見つけた際に花の色が分かれば、その色の図鑑を確認することで種類の特定ができます。スマートフォンなどで図鑑を見ながらお散歩することで、公園の自然をより楽しめます。花情報はどんどん追加していきますのでお楽しみに。

あいかわ公園 山野草図鑑 春 白いお花

ミドリハコベ
ナデシコ科・花弁が5枚)

場所:日当たりのよい所
時期:2月~4月
どこでも見られる七草のハコベラには5枚の花弁があります。1枚の花びらに切れ込みが深く入るため、見た目上は10枚の花弁があるように見えます。似た種類に茎が赤いハコベや、より大型のウシハコベがあります。ポイント(ほかの種で説明)をしれば簡単に見分けられます。七草と言うことで食べられますが、食べても味はあまりしません。天日干ししたハコベと塩を混ぜるとハコベと言う緑の塩が作れます。見た目が華やかなので天ぷらなのに利用すると彩を加えられます。

小さな花ですが群れて生えるため、見ごたえのある植物です。おしとやかな感じが素敵ですね。




ウシハコベ
ナデシコ科・外来種

場所:ふれあい広場の端
時期:4月
ミドリハコベより1周り大きく、見比べればすぐ見分けられますが、1種だけで見ると難しいかもしれません。そんな時には花の中心のめしべの形に注目しましょう。
先(めしべの頭)が3つに分かれていればミドリハコベ、5つに分かれていればウシハコベです。めしべは花の真ん中にあります。そこから分かれている白い線の数を比較して数えてみてください。こちらは外来種で、かなり大型です。


ミチタネツケバナ
アブラナ科・花弁4枚)

場所:日陰
時期:2月~4月
日当たりの悪い所なら大抵みられる大根のお友達です。放射状に広がる独特の葉を持ち、中心から茎をのばします。より大型のタネツケバナは逆に日当たりのよい所を好みます。大根の仲間たちは上に2枚下に2枚の計4枚の花弁を持ちます。(アブラナ科の特徴)たねは竹刀のような形で、刺激ではじけ飛ぶ面白い種です。この性質からタネツケバナの仲間の種は非常にべたべたとしています。見つけたら触ってみるのもおススメですよ。手で軽くはじいてみると、種がはじけ飛ぶ様子を見ることができます。

種は真上を向いてたくさんつきます。赤茶色~緑色まで様々にあります。そこらじゅうで見かける外来種です。



ユキヤナギ
バラ科・花弁5枚)

場所:南駐車場や風の丘付近
時期:4月
ヤナギのようにしなだれる形が尻尾のように見える面白いお花です。ヤナギの名前から勘違いされがちですが、桜と同じバラの仲間です。バラの仲間には花弁が5枚あります。その見た目から庭木として人気があり、目にする機会が多い種類です。動物の尻尾のようなお花は散る時まで美しく楽しませてくれます。
花付きがよく、蝶たちがやってくることも多いので、↑の場所を参考に見回ってみましょう。


ヤエムグラ
(アカネ科・花弁4枚)

場所:日陰で少し湿るような場所(あいちゃん号発着場など)
時期:4月~5月
知らなければ気づくことができない地味な花をつけます。この写真もかなり拡大したものであるため、ヤエムグラを知っていても花を知らないという方は多いと思います。 
茎や葉には下向きのトゲが生えており、ほかの植物にもたれかかって倒れないように上を目指します。茎をブローチのように服に貼り付ける「ヤエムグラのブローチ」が草花遊びとして子供たちに人気です。 全部取ってしまうといなくなってしまうので、植物のことも考えて遊んであげましょう。


ミミガタテンナンショウ
サトイモ科・特殊な花

場所:ふれあい広場奥の林 冒険の森~森のわたり橋
時期:3月~4月
花のように見える部分は仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれ、この仲間に特有の葉が進化した部位です。写真中央のレバーのような部分は、キノコバエなどの花粉を運ぶ生き物が上り棒のようにつたっていくための棒で付属体(ふぞくたい)と呼びます。つまり、本当のお花はこの棒の根元に咲いています。こんにゃくのお友達ですが針のような結晶の集合体のためそのままでは食べることができません。

実はこちらです。秋ごろになると真っ赤に染まり、美味しそうな見た目になります。子供が果物と間違えて口にしてしまう事故がまれに起こるため、気をつけましょう。

スイセン
ヒガンバナ科・有毒)

場所:噴水広場
時期:12月~4月
細長い葉が特徴的な有毒植物です。ニラの仲間との見分け間違いが多く、毎年食中毒が発生しています。
スイセンには特有にニラ臭がないためその点を確認しておきましょう。
花の形がユニークで白い花びらが6枚、このうち花弁が3枚で花びらと同質のガクが3枚あります。

白い花びらには手前側と奥側があり、立体的です。 中心は副花冠(ふくかかん)と言い、内側にはおしべとめしべが見られます。

ハナニラ
ヒガンバナ科有毒

場所:ふれあい広場中央 クスノキが目印
時期:3月~4月
葉っぱから食欲をそそるようなニラ臭を堪能できる植物ですが、匂いとは裏腹に有毒な植物です。園芸植物としても良く植えられており、見かける機会は多いです。口にすると嘔吐などの症状が出るとされていますので山菜取りなどでは気をつけましょう。ノビルなどのニラ臭を基準に毒の有無を判断していると、引っかかってしまう可能性があります。(ニラ臭のするノビルやアサツキなど)6枚ある花びらは3枚が花びら、3枚がガクです。


ハルジオン
(キク科・筒状と舌状の花)

場所:ふれあい広場などの日当たりのよい所
時期:4月~7月
ピンクや白など色合い豊かなタンポポのお友達です。タンポポの仲間には筒状のお花と舌状のお花を持つ者がいます。ハルジオンは2種類とも持つタイプなのですが、写真中央の黄色い部分が筒状花(とうじょうか)で周りの線状のものが舌状花(ぜつじょうか)です。家の周りで見かけたらちぎってみてください。白色の物からピンク色が強いものまで、色の幅があります。また、ヒメジョオンと言う似た植物があります。見た目はうり二つなのですが、葉が茎に抱き着くように付いていればハルジオンです。

蝶類に人気のお花で、セセリ科の蝶やシジミチョウの仲間がよくやってきています。



ハナイバナ
ムラサキ科・花弁5枚中心に丸模様)

場所:冒険の森~森のわたり橋
時期:通年(4月はみやすい)
非常に小さい3mm程度の花をつけるため、知らないと見つけることができません。造形は宝石のように美しく、キラキラした花弁の中央に丸い模様が入り込みます。ムラサキ科はあまり馴染みがない名前ですが身近にも2種類は生えています。(春その他色のキュウリグサ)この特徴で探してみてください。



ハキダメギク
(キク科・筒状と舌状)

場所:パークセンター前の植込み
時期:1月~4月
ハキダメギクは昔フンを捨てるような場所に生えていたために名づけられましたが、花の見た目のわりに酷い名前が付けられてしまっています。白い舌状花(ぜつじょうか)は5枚が基本ですが、それ以上に生えることも多いです。 似たものにコゴメギクがありますが、白い花びらがわずかに付きます。
白い舌状花に対して黄色い場所は筒状花(とうじょうか)と呼び、キク科植物の仲間はこの時点で花を引き抜くとタンポポの綿毛のようなものが付いています。成長するとこの綿毛を利用して別の場所へ飛んでいくのはタンポポと同じですね。外来種の植物です。



ニリンソウ
キンポウゲ科・可食)

場所:パークセンター横の通路(双眼鏡が必要)
時期:4月
湿った場所に生える春の代表的な植物で、この花が咲くといよいよ春が来たという雰囲気になります。白い花をつけますが、実際にはこの花はガクと呼ばれる葉が変化した部分になります。花の裏を見てみると本来花の裏にあるガクが付いていません。なので植物学上は花びらを持たない花という面白いものになります。毒を持つものが多いキンポウゲ科の中では珍しく山菜として食べられますが、猛毒のトリカブトと似ているためおすすめしません。花が一輪咲くイチリンソウ、3輪咲くサンリンソウなど名前遊びが面白い仲間たちがいます。

クサイチゴ
バラ科・実は可食)

場所:森のわたり橋など
時期:4月
非常に身近な美味しいキイチゴの仲間です。赤い大きな実をつけ、その実は生食しても甘みを感じることができます。特有の草っぽい香りがあるため、ジャムなどにして食べるほうが美味しいです。
実は5月頃にできますが、野生動物にも人気なため見かけたらラッキーですね。


ニガイチゴ
バラ科・実は可食)

場所:花の斜面左上
時期:4月
大粒な実をつけるキイチゴの仲間の一つです。花は他のキイチゴたちに比べ細長く見分けやすいですが、それよりも葉の形で見分けるのがおススメです。ニガイチゴはネズミのシルエットのような形の葉をつけます。また、葉の付け根部分に赤色の線が入るものが多いです。

6月上旬から中旬ごろにかけてイチゴを見ることができます。果肉は甘く、種を吐き出せば美味しく食べることができます。バラ科なのでトゲには注意しましょう。




モミジイチゴ
バラ科・可食)

場所:花の斜面スロープなど
時期:4月
5月に黄色い大粒のイチゴをつける野イチゴの仲間です。甘酸っぱいイチゴはとてもおいしく、日当たりのいい場所のイチゴをふと見つけて口に入れるのが楽しみになってしまうほどです。低木なので伸びても2m程の背丈であり、まとまって生えるため、慣れると簡単に見つけられます。花が下向きに咲くので下から覗き込むようにしないと実が見つかりません。

身近な野で見られるキイチゴ類の中では一番おいしいと思われるため、季節になったら食べてみるのも1つの自然の楽しみかもしれません。野イチゴの中でも黄色で見分けやすいのでお勧めですよ。ただし、バラの仲間なのでトゲには気をつけましょう。低木なので引っかかると抜け出せなくなります。




ナズナ
アブラナ科・花弁4枚)

場所:ふれあい広場各所
時期:3月~4月
ぺんぺん草でおなじみな春の七草の1つナズナです。ナズナの楽器は有名な草花遊びですが、三味線のバチのようなものはナズナのタネになります。茎と種をまとめて採取して三角形の種を丁寧に下に引っ張ってみましょう。
三角の物体は実なので割いてみるとちゃんとタネが出てきますよ。上で出ていたタネツケバナと同じアブラナの仲間なので、花びらは4枚になります。

春の七草でもお馴染みですね。個体により小さなものから大きなものまで様々です。日当たりのよい環境で普通に見つかりますよ。


トキワハゼ
ゴマノハグサ科・)

場所:ふれあい広場の端など
時期:通年(2~6月確認済み)
大きな舌のような形をした面白い花です。花に見られるまだら模様のようなものは虫に蜜のありかを知らせる植物の戦略の一つです。(ネクターガイド)似たものにムラサキサギゴケがあります。トキワハゼは1周り小さく、色が白みを帯び、写真の紫の部分に切れ込みが入らない点で判断できます。ムラサキサギゴケは春紫色の図鑑にあります。名の通り紫が濃いです。2種は似ていますがランナーと言う地を這う茎を出して一面に広く葉を広げるムラサキサギゴケとその場だけで株をつけるトキワハゼと覚えておくといいでしょう。


ツルカノコソウ
スイカズラ科・散房花序

場所:ふれあい広場の湿った斜面
時期:3月~4月
湿り気を好むため日当たりの悪い場所に生えることが多いです。ツルと名前が付けられますが実際にはツル性ではありません。2枚の葉の中央から花の茎を出し、綺麗な白い花をたくさんつけます。ブロッコリーのような形のこの花の付き方を散房花序(さんぼうかじょ)と呼びます。非常に面白い花の形でスイカズラの仲間によく見られ、花の形でもある程度科を絞ることができるので覚えておくと役に立つと思います。





ハコネウツギ

スイカズラ科)

場所:森のわたり橋付近
時期:5月
もともとは海岸に自生する植物ですが、5月頃に付ける白とピンクの美しい花から観賞用として人気が高く植えられています。花はラッパ上で可愛く、背丈も大きくならない上にアーチのようにしなだれるため非常に見ごたえがあります。ハコネの名が付きますが、実際には箱根にたくさんあるというわけではないようです。





ガマズミ
スイカズラ科・可食)

場所:風の子橋付近
時期:5月
白いボンボンのようにたくさんの花をつけます。スイカズラ科は葉が左右両方に出る対生と言う葉の付き方をします。花は冬の終わりごろには真っ赤な実となり、人が食べても甘酸っぱい味わいを楽しむことができます。

公園のガマズミは年によって実の付きっぷりがかなり違います。クリなどのドングリもそうなのですが、受粉の関係なのか外れ年と当たり年があるようです。これによって秋~冬にかけての動物類の人が住む地域への出没具合が変わると言われています。




スイカズラ
スイカズラ科)

場所:森のわたり橋付近
時期:5月
べローンと大きく舌を出したような姿が特徴的な花です。黄色と白の2色の花からはほんのりいい香りを漂わせています。つる性植物のため、付近のイヌシデに大きく絡みついて木を緑色に染め上げます。花の奥には蜜があり、これを吸ったことから名付けられています。カズラはつる性の植物によくつけられている名です。
蝶のイチモンジチョウやアサマイチモンジ(絶滅危惧ⅡB類)の食草です。アサマイチモンジは公園周辺ではあまり確認されていない珍しい蝶なので、花を見がてら探してみるといいと思います。



テイカカズラ
キョウチクトウ科有毒

場所:森のわたり橋付近
5月~6月
スイカズラと同じくつる植物ですが、こちらはよく見ると木に張り付く根を出して登っていきます。葉にも厚みと光沢があり、分かりやすい種類です。2種を比較するとつる植物の世界をより楽しむことができます。キョウチクトウ科なので毒があります。


ツメクサ
ナデシコ科)

場所:ふれあい広場奥
時期:2月~5月
爪切りで切った後の爪のような葉をつけます。その葉の様子は苔の1種類のように見えるため、知らないと見つけられないかもしれません。花はナデシコ科らしく綺麗な5枚をつけ、後ろのガクの緑と合わさって清楚な印象を受けます。花は3mm程度の小さいものなので根気よく探してみてください。



スズメノカタビラ
(イネ科・頴花(えいか))

場所:パークセンター前やふれあい広場
時期:3月~6月まで確認済み
皆様が毎日口にするお米の仲間です。イネの仲間は穎花と呼ばれる独特な花を持つため、この部分を花と思っていない方も多いと思います。イネの仲間は茎が立ち上がることも多く、この部分を使って引っ張り相撲を楽しむことができます。イベントでも人気の草花遊びです。

写真の白い飛び出している部分が花粉です。頴花(えいか)は手をくの字にして重ね合わせたような花で、イネ科に特有の花です。




チガヤ
(イネ科・頴花(えいか))

場所:森のわたり橋付近
時期:5月
5月頃にふさふさでいかにも柔らかそうな穂のような花を咲かせます。チガヤは開けた場所に群れて生えることも多い植物なので、花の季節には辺り一帯をゆらゆらと揺れる穂のような風景を楽しむことができます。日本の風景らしい雰囲気を味わえるのでとてもおススメですよ。
チガヤはかなり強い植物で、同じような環境を好む外来種との競争に打ち勝つことも多い素敵な植物です。




スズメノエンドウ
マメ科・可食)

場所:冒険の森入口斜面
時期:3月~4月
スズメやカラスの名が付く植物は、大きさを表していることが多いです。つまりスズメノエンドウとは小さい豆ということです。白い花は写真のボケからもわかるようにわずか2mmもない程度の大きさです。写真を撮るのも1苦労ですが、実物を見ていない方は見つけるのにそれ以上の苦労をすること間違いなしでしょう。日当たりのよい場所でかがんで見ることをお勧めします。




ハリエンジュ
マメ科外来種

場所:冒険広場の道路
時期:5月
河川などの水辺や道路の脇などでよく見かけるようになった外来種です。木や枝にはかなり大きな鋭いトゲがあり、ケガをしないよう注意が必要です。大きく花付きがよい花の部分はてんぷらにして食べることができます。見た目もよくほんのり甘みが感じられて美味しいですよ。
ハリエンジュから作られたはちみつもあります。別名「ニセアカシアと呼ぶとピンと来た方もいるかもしれませんね。

イヌエンジュ
マメ科

場所:風の丘
時期:5月
ハリエンジュと同じく房状に白い花をつけます。フジなどと同じマメの仲間であり、特有の蝶形花(ちょうけいか)と言う花をつけます。畑で育てるマメの仲間などを見たことがあれば分かりやすいでしょう。
この時期の白いお花には色々な虫がやってきます。

数の少ないフタコブルリハナカミキリに遭遇することができましたよ。




サルナシ
マタタビ科:雌雄異株(しゆういしゅ))

場所:冒険広場より上
時期:5月
山の方で見ることができる野生のキウイフルーツの仲間です。秋に熟す実は食べることができ、味も香りを強くしたキウイと言う感じです。雌雄が別のため花が咲いていても実がなるかは分かりません。園内で手の届く範囲のサルナシは雄花の場所が1箇所、雌花が1箇所であったため、雌花の方では実が付いていました。

9月から10月頃に実がなります。コクワやサルナシの名で流通する高級な食材です。実がまだ熟している前に回収して10日ほど追熟して皮がしわしわになった辺りが食べごろで、とても爽やかなキウイ臭がします。野生ではサルなどの動物に真っ先に食べられてしまうほど人気の果物です。



シロバナナガバノスミレサイシン
(スミレ科)

場所:森のわたり橋より奥のスギ林
時期:3月~4月
全て同じに見えるスミレの仲間たちの中でも、比較的見分けやすいのがスミレサイシンの仲間です。横から見てみると後ろの部分(距と呼ぶ)がぽてっと大きいです。また、林の方でないと生えていないため該当エリア以外の物はタチツボスミレかヒメスミレです。
シロバナの名前の通り変異した種類で、元はナガバノスミレサイシンと言う種類です。
太平洋側でよく見られるナガバノスミレサイシンと日本海側でよく見られるスミレサイシンがあります。



アリアケスミレ
(スミレ科・園芸種)

場所:冒険の森入口
時期:4月
冒険の森入口にのみ生えているスミレの仲間で、白いお花に紫色のラインが入る特徴があります。また、葉の形が丸ではなくヘラのような形をしているため、見分けるのは簡単ですが白花のスミレと特徴が似ています。滅多にないので問題ありません。
園芸用の物が野生化したと考えられます。



ニョイスミレ
(スミレ科)

場所:湿った場所の近く
時期:4月
あいかわ公園では北駐車場の山道でのみ発見できています。(入れないエリア)スミレの仲間の中でも最も小さく、花は1cmあるかないかくらいです。形は箱型に近いですが、しっかり5枚の花弁を持っています。別名ツボスミレで、花に対して茎の長さがとても長いです。
湿ったような環境が好きで、発見するときは半日陰や常に湿り気の有るような地面の近くが多いです。




コブシ
モクレン科)

場所:ふれあい広場
時期:3月
まだ肌寒い3月上旬ごろに手のひら位の白い大型の花を咲かせます。コブシには枝の先に付く花をつける花芽と、枝の横から葉を広げる冬芽の2種類の芽を持ちます。それぞれ大きさが違い、花芽の方が圧倒的に大きいです。また、芽には毛が付いており、冬場の毛布のように寒さを防ぐ役割をしています。
モクレンの仲間は春に大型の花を咲かせるものが多く、民家の庭でも白色のハクモクレンや紫色のシ(紫)モクレンもよく見られます。

ハクモクレン
モクレン科)
場所:石小屋ダム
時期:3月中旬
コブシよりも巨大な上向きの花を多数つけ、非常に目立つ植物です。紫色のシモクレンと白色のハクモクレンがあり、3月には至る所で目につくようになります。花は特有の香りが見られ、匂いで虫をおびき寄せます。
花びらは手のひらほどの大きさがあり、革製品のような質をしています。落ちている花があれば触れてみるといいでしょう。


ホオノキ
モクレン科・日本最大

場所:ふれあい広場
時期:4月~5月
日本の樹木の中で最も大きい葉をつけるのがこのホオノキです。葉は輪を描くように7つほど付き、大きいものでは1枚30cmを超えます。花もそれだけ巨大で、直径は人の手よりも大きく迫力満点です。低い位置ではあまり花をつけないことと花の匂いが少し臭いのが難点です。
葉には抗菌作用があるとされており、おにぎりを包むために使われたそうです。
岐阜県では枯れたホオの葉に味噌や地産のキノコや野菜、牛などを乗せて調理する朴葉味噌と言う郷土料理があります。




ウツギ
(ウツギ科)

場所:冒険広場の道路
時期:4月~5月
ウツギという変わった名前には空木という意味が含まれています。茎の中が空洞になっているのです。
ウツギの仲間には種類が多く、梅のように咲くバイカウツギや葉が丸いマルバウツギなどの細かい違いから数種類に分かれています。
白い花を見事に咲かせるため、蝶たちから非常に人気の高い花でもあります。
タテハ蝶の仲間やセセリチョウの仲間を狙うにはうってつけの花なので、虫探しの人はウツギを探してみましょう。珍しいクモガタヒョウモンやアオバセセリなどがいるかもしれません。(パークセンター虫コーナーを参照)



エゴノキ
エゴノキ科・有毒

場所:ふれあい広場奥や南駐車場
時期:5月
下向きの白い花をたくさんつけます。これは足の弱い虫が花にぶら下がれないようにするための戦略とされています。

あいかわ公園ではこの仲間を好むエゴツルクビオトシブミ(写真)が葉を丸めていたり、葉に丸い虫こぶを作るエゴノキハウラケタマフシがいたり、種の時期にはヤマガラと言う鳥が食べにきたりと生き物たちに人気の植物です。9月頃の南駐車場では、目先1m以内でヤマガラを観察できます。




ハクウンボク
エゴノキ科・有毒

場所:花の斜面
時期:5月
エゴノキよりもさらに雲海の如く花をつけるのがこの植物です。葉が大きくふさふさなのでぜひ触れてみてください。公園では、ハマキガの仲間が葉をくるくる巻いたりエゴノキで紹介したオトシブミが小さな葉をまいたりとにかくくるくる巻かれます。(花の時期にはあまりない)
葉が巻かれている姿を見たい方は工芸工房村付近のスロープへ行ってみましょう。

花期にはエゴシギゾウムシやアオハムシダマシと言った昆虫達もたくさんやってきますよ。




ドクダミ
ドクダミ科・薬用)

場所:園内の日陰
時期:5月~6月
大抵どこにでも見られ、臭いが生ごみのようにきつい植物です。花のように見える部分は植物学的にはと呼ばれる部分です。この部分の上に棒状についているものがおしべめしべであり、花びらと呼べる部分は実はありません。 これは記事上の方で紹介したキンポウゲ科ニリンソウと同じです。単花被花(たんかひか)と言い、花びらかガクのどちらかのみを持つという変わった植物です。不思議に思う方は花の裏側を探してみましょう。記事一番上にあるミドリハコベの花の付け根にある緑色のガクがないことに気が付くはずです。
 ガクとは花弁を根元で支える部分。葉が変化したものなので大抵緑色をしています。





クサギ
(ミカン科・双眼鏡が必要です)

場所:湿った沢沿い
時期:4月
水辺を好み、沢沿いを代表する植物です。名前の由来である独特のミカン臭も特徴的ですが、最大の特徴は葉の付き方にあります。クサギ型葉序と呼ばれ、右に2回続き左に2回続くという個性豊かな葉の付き方をします。他にはサルスベリなど数の少ない面白い葉の付き方なのです。
ミカン科なのでアゲハチョウが好みます。カラスアゲハと言うとても綺麗なアゲハやクロアゲハ系が産卵しているのを見たことがあるので、アゲハを捕まえたい方はパークセンター周辺を要チェックです。








オランダミミナグサ
ナデシコ科・外来種

場所:日当たりのよい場所
時期:2月~4月
ミミの名の通り、まるいウサギの耳のような葉を仲良く同時に出します。ナデシコ科は花弁が5枚ですが、この花には花弁の先端に切れ込みが入ります。やはり外来種のため駐車場の近くやコンクリートの隙間などの近くで見つかります。在来のミミナグサは競争に負けて全国的に希少になりました。




オオシマザクラ
バラ科葉と花同時展開

場所:南駐車場
時期:3月下旬~4月
白い花と緑の葉を同時に展開するため、白と緑の掛け合いが美しいサクラです。園芸種が多いサクラですが、本種はヤマザクラと並んで自生種です。自生種を基に交配がなされて園芸種が生まれ、その園芸種たちを様々な種類と掛け合わせたため桜だけで600種以上あると言われています。




ウワミズザクラ
バラ科

場所森のわたり橋 パークセンター
時期:4月上旬
きりたんぽのような形の花をつけるため勘違いされやすいですが桜の仲間です。花をよく見るとしっかりと5枚の花弁を持つバラ科の形をしています。異なるのはそのお花がたくさんつくことでまるで1つの花の塊であるかのように見せている点です。このように柄が付いてたくさんつく花を総状花序(そうじょうかじょ)と呼びます。
後ほど実がなるのですが、山の中では動物に人気の実です。





オキナグサ
キンポウゲ科絶滅危惧種

場所:パークセンター前
時期:3月下旬
あいかわ公園に植えられているものは園芸用のものが野生化したものです。自生においては絶滅危惧種とされており、見る機会はほとんどないでしょう。翁の名の通り花の後に白髪のおじいさんのような姿に変貌します。あいかわ公園では恐らく同じ株のためその姿は見られないかもしれません。




シャガ
(アヤメ科)

場所:南駐車場付近
時期:4月
湿り気のある場所に生える園芸で人気なアヤメの仲間です。花びらは6枚あるように見えますが実際には花弁3枚、花びらと同じ質のガクが3枚からなります。アヤメの仲間は花弁とガクが同じ性質を持つ同花被科(どうかひか)という形をとります。科を絞る時に役に立つので活用してみてください。




ニワゼキショウ
(アヤメ科・同花被花(どうかひか))

場所:芝生など
時期:5月~6月
日当たりのよい芝生の上でたくさん見られる身近なアヤメの仲間です。白色の小さなお花が辺りを覆うので意外と迫力があります。6枚に見える花弁は3枚が花びら残り3枚がガクなのですが、形が似ているので同じように扱います。このような花をどうかひか と呼びます。





ジュウニヒトエ
シソ科

場所:森のわたり橋より山側
時期:4月
シソ科の中でも春に白い花をつける種類は数少ないため、見つけると嬉しい種類です。名前の由来である十二単の通り、花が幾層にもなって咲くためとてもゴージャスな花です。太平洋側では今の季節に似た花としてツクバキンモンソウがありますがあいかわ公園では見つかっていません。




チゴユリ
ユリ科・有毒)

場所:風の丘より上の林床
時期:4月中旬
背丈は10cm程度と小さく、可憐な白い花を茎の先にポツリとつけます。ユリ科の植物は葉の形がすべて似ており、芽生えの季節は同じようなものに見えます。ホウチャクソウの方が背丈が大きく(40cm)チゴユリは花がしっかり開くため区別は簡単です。




ミズキ

(ミズキ科)

場所:花の斜面 南駐車場
時期:5月中旬~下旬
茎に水気が多いことからミズキと名づけられています。実際に枝を折ると水分が滴ってきます。よく似たものとしてクマノミズキがありますが、花の時期がミズキは5月でクマノミズキは6月である点と、葉が右左右左とつくか左右両方同時に付くかでそれぞれ判別できます。



ヤマボウシ
(ミズキ科)

場所:ふれあい広場奥
時期:5月~6月
花弁のように見える4枚のものは苞と呼ばれる軸を支える葉です。ヤマボウシは花が地味なので苞を目立たせることで虫にアピールをしているのです。
秋にはおいしそうな実をつけ、鳥などが食べに来ます。実は人も食べることができる果実で、結構甘みが強いです。常緑ヤマボウシヤマボウシがあるため長い間花を楽しめます。


ヒルガオ
ヒルガオ科・合弁花)

場所:冒険の森
時期:5月~
アサガオは非常に有名な植物ですがヒルガオとなると少しマイナーな印象を受けます。どちらもヒルガオ科の植物で、昼に咲いて夜にはしぼむという面白い特徴があります。身近な所でも野生化しているのでこの筒形(実際には漏斗型)の花を探してみると意外なところで見つかるかもしれません。




ヒトリシズカ
(センリョウ科)

場所:森のわたり橋より先のスギ林
時期:3月下旬~4月
林床にひっそりと咲く可憐な花で、地味で目立たないため存在を知らない方も多いかと思われます。花のように見えるのは雄しべで、花びらと呼べるものを一切つけません。背丈も10cmちょっとの大きさなので意識して探す必要があります。この公園では結構見かけられるので植物を探す目を鍛えるのにおススメです。


フタリシズカ
(センリョウ科)

場所:森のわたり橋付近の林床
時期:5月中旬
ヒトリシズカより1月ほど後に咲きます。草丈が最大60cm程と大きく、また、花の茎の数も2本から4本程度と個性が見られます。4方向に広がる葉は実はわずかにずれているため、左右対に葉が付く対生(たいせい)という葉の付き方です。





ユズ


場所:ふれあい広場奥
時期:5月中旬
冬至の時にお風呂に入れるユズですが、花の季節は5月頃です。ユズの面白い所は葉にも見られます。葉を見つけたらその葉の付け根を見てみましょう。よく見ると小さな葉っぱがもう一枚付いています。ミカン科の仲間に見られる特徴ですがユズはこの下に付く葉がとても大きいです。また、ミカン科の多くが枝にトゲを持つためケガしないように気をつけましょう。



ナツミカン
(ミカン科)

場所:パークセンター付近
時期:5月中旬
園芸から食用まで馴染み深いミカン科の植物です。アゲハチョウの幼虫がミカン科の植物を好むため、パークセンター付近で見られることが多いです。葉には特有の香りがありますが、ユズと比べると青臭くあまりいい香りとは言えません。