あいかわ公園 山野草図鑑

あいかわ公園で見られる様々な花たちを色ごとに紹介する図鑑です。(春132種 夏98種秋更新中)あいかわ公園で植物を見つけた際に花の色が分かれば、その色の図鑑を確認することで種類の特定ができます。スマートフォンなどで図鑑を見ながらお散歩することで、公園の自然をより楽しめます。花情報はどんどん追加していきますのでお楽しみに。

あいかわ公園 山野草図鑑 夏 赤系の花

春の図鑑で見られる種類でも6~9月に咲いている場合掲載しています。
ホタルブクロ
(キキョウ科)

場所:石小屋ダム付近
時期:6月上旬~下旬
初夏に筒状でピンク色の綺麗な形の花を咲かせます。その昔このお花にホタルを入れて持ち帰ったことが名前の由来ですが、とても風情のある光景ですね。身近で見られるキキョウ科の代表格だと思われます。日当たりのよい斜面を探してみましょう。





キキョウソウ
(キキョウ科・外来種

場所:花の斜面
時期:5月~
すらっと立ち上がる茎と、ねじを巻くようにぐるぐるとつく葉っぱが特徴的なキキョウソウは、最も身近なキキョウ科の植物になったのかもしれません。別名のダンダンギキョウはこの植物の特徴をよく表していると思います。花はキキョウ科の通りそれぞれの花弁が根元でつながっており、一枚の花弁を作っています。(合弁花(ごうべんか))




スイバ
タデ科・可食)

場所:ふれあい広場
時期:4月~6月
房状にたくさんの赤い花をつけます。この花はたくさんの花粉を風によって飛ばす風媒花(ふうばいか)のため、たくさん咲いているものを揺らすと花粉が飛ぶさまを見ることができます。似た植物には科が同じギシギシという植物がありますが葉の付け根の形に注目することで見分けられます。スイバの場合は矢じり型をしています。葉を確認してみましょう。スイバ(酸い葉)の名の通り、強烈な酸味があります。




ヒメスイバ
タデ科・可食)

場所:花の斜面
時期:6月上旬
スイバよりもより細い花をつけますが、たくさん生えている場所ではスイバよりも密になって花が咲いているように見えます。葉の形がスイバとは明確に違います。スイバの葉は根元が矢の先のように返しが付くのに対し、ヒメスイバの葉は十字架のような葉をつけます。見ないと分からないかもしれません。


ハルジオン
(キク科・外来種

場所:ふれあい広場など
時期:3月~
アメリカ原産の外来種ですが、既に日本では普通に見られる種類となっているため、在来種と思っている人も多いと思われます。このように既に定着している外国起源の植物たちは帰化植物と呼ばれ、シロツメクサなどを中心に身の回りでは数多くみられます。似た植物にヒメジョオンがありますが、葉の付き方が茎を抱っこするようにくっついているならハルジオンです。握手をした時の手のように葉の根っこが茎を抱え込みます。




コマツナギ
マメ科

場所:冒険広場より上
時期:6月上旬
馬をつなぎとめられるほど強力でしなりのあるような見た目から名付けられています。公園で見られるマメ科としては珍しく、目先の高さでたくさんの紫色の花を見ることができます。緑化目的で使われることもあるため、たびたび道路の端などでも見つかります。
近くにはジャケツイバラやフジ、ハリエンジュなどのマメ科が見られるのでタイミングが合えば見比べができるかもしれません。マメ科の花が咲き乱れる様はとても綺麗ですよ。



アカツメクサ
マメ科

場所:冒険広場より上
時期:5月中旬~6月下旬
シロツメクサと同じく有名なアカツメクサは、少し遅めの5月中旬頃から見られます。やはり花付きがよく、綺麗な円形になることが多いので写真の練習におすすめです。マメ科なので写真が1つの花なのではなく、1つ1つの小さな赤い花が集まって1つの大きな花のように見えています。見かける機会があればこの花を1つずつちぎってみましょう。蝶形花(ちょうけいか)という面白い形の花が見れますよ。



アレチヌスビトハギ
マメ科外来種

場所:ふれあい広場奥
時期:8月中旬~
荒地から林縁まで幅広い場所で定着している外来種の豆です。花の形がかなり独特で、旗のような大きな花びらとソーセージのように突き出た花びらからなります。この下の部分はおしべとめしべを包んでおり、めくってみるとマメ科特有の筒状になったおしべたちを見ることができます。種は粘着質でズボンなどに張り付くため、種の季節にこの植物が茂っている場所に入ると大変なことになります。全然剥がれないので試してみてくださいね。




クズ


マメ科・可)
場所:ふれあい広場奥など
時期:8月下旬~
葛粉や葛切りでおなじみの食材は、このクズと言うつる植物の根っこにあるでんぷんです。他の植物に巻き付くため、掘り起こすにはかなりの気合が必要になります。また、他の植物を覆うように生えるためか下に日影ができ、色々な虫たちを見つけることができます。花には紫色と明るい黄色の部分があり、黄色の部分が虫たちに取っては蜜のありかを示すサインとなっています。





ナワシロイチゴ
バラ科・可食)

場所:冒険広場より上
時期:5月下旬~
奇妙な花をつけるイチゴのような雰囲気を持つのがこのナワシロイチゴです。このナワシロイチゴの花は少し特殊で、閉鎖花(へいさか)と呼ばれます。外向きに開くことはなく、自分の花粉で受粉をする自家受粉を行います。スミレの仲間の一部でも見られる少し変わった面白い戦略です。
由来の苗代(なわしろ)は、稲の苗を植えるころに実が熟すからと言われています。食べる際はよく洗ってから食べましょう。





アカバナユウゲショウ
アカバナ科

場所:パークセンター前など
時期:4月下旬~6月
緑が増えてきた初夏の頃合いに、地面を鮮やかに彩るのがアカバナユウゲショウです。公園で何種類か見られるアカバナの仲間たちは4枚の花弁を持ちます。実はもともとは外国原産の帰化植物で、明治時代に日本に入ってきたとされています。まれに白花種が見つかり、シロバナユウゲショウと呼ばれています。色違いを探してみるのはとても面白いので様々な植物で挑戦してみてください。



マツバウンラン

ゴマノハグサ科

場所:花の斜面
時期:4月~5月下旬
細長くすらっと立ち上がる茎と、その頂点付近に舌のような形の紫色の花を数個つけます。名前にマツバと付いているように、葉がマツの葉のように細長い特徴があるため、見分けるのは簡単です。ゴマノハグサの仲間にはこのような舌の形の花が見られるので、園内でお友達を探してみるのも自然に対する目が鍛えられるのでお勧めです。(春の図鑑紫色にお友達が載っています。)




キランソウ
(シソ科)

場所:園内各所
時期:2月~6月
日当たりのよい場所で普通に見られるシソ科の仲間で、地面に蓋をするように張り付くことからジゴクノカマノフタの別名があります。葉には厚みと薄い毛がびっしり生えており、雷マークのようなギザギザがあります。花には上側に花粉が付いており、花びらに虫が乗ることでてこの原理のように花が傾き、虫の背中に花粉をつけます。指で試してみましょう。





メハジキ
(シソ科)

場所:石小屋ダム
時期:7月中旬~
2m近くまで立ち上がる大型のシソ科植物で、茎の途中にある座布団のような丸い部分から花をつけます。花はこの部分にぐるりと一周してつき、花付きも大変良いので圧巻の見た目をしています。キランソウと同じシソ科のため、花には上と下に分かれる特徴が見られます。クマバチなどが止まると花が下にたれる様子をじっくり見ることができます。夏に非常におすすめな植物です。





ムラサキカタバミ
カタバミ科・園芸種)

場所:冒険の森入口
時期:3月~6月
日当たりのよい場所を好む紫色が綺麗なカタバミです。後述のイモカタバミと非常に似ていますが、花の中央の色が白である点が分かりやすい区別点となります。ムラサキカタバミは花や葉が意外と大きく、一度目にすれば恐らく間違えることはないと思われます。公園のカタバミを見比べてみましょう。




モカタバミ

カタバミ科

場所:花の斜面
時期:4月~5月
同じく園芸用のイモカタバミは花の中心部が濃い紫色に染まる特徴があります。また、イモの名が付く通りに根っこにはイモ状の根っこがあります。そのため一カ所にお団子のようにまとまって生えている姿が度々見られます。あいかわ公園ではそこまでたくさんの数はないため、イモカタバミのお団子は見られません。花の斜面の少し見つけにくい所にありますので、探すのに挑戦してみましょう。




ムラサキエノコログサ
(イネ科)

場所:石小屋ダム
時期:6月上旬~
猫のしっぽのようにふさふさな花をつけるエノコログサの中でも紫色を帯びるのがこの種類です。金色のキンエノコログサなど色によって名付けられるものはたびたび見られます。エノコログサを見つけたら草花遊びに挑戦してみましょう。この花をちぎってなでるようにしてあげるともぞもぞと進むさまを見ることができます。





ランタナ
クマツヅラ科・園芸種)

場所:石小屋ダム
時期:6月上旬~
しちへんげと呼ばれる植物の仲間で、その名の通り花の色が変化していきます。野外で見かけるものはたいていピンクと黄色の印象です。花付きがよく色もきれいで可愛いため植えられますが、それが野生化してしまい河原などでも見られます。せっかくなので綺麗なグラデーションを楽しみましょう。




テッセン

キンポウゲ科・園芸種)

場所:ふれあい広場
時期:6月上旬~
自生するカザグルマを園芸用に改良したものがテッセンです。広い範囲ではクレマチスに含まれます。キンポウゲ科の植物は花のように見えるガクを持ちます。つまりテッセンは4~6枚のガクを持っているということです。(写真の花びらのようなものがガク)



ネジバナ
(ラン科)

場所:日当たりのよい草地
時期:6月~
最も身近に見られるランの仲間で、多くが絶滅危惧のラン科の中でも一般的に見られる種類です。花はランなのでとても美しく、白とピンクの花に小さなラメが入っているため宝石のように見えます。日当たりの良い日にはその様子がよく見えると思います。ネジバナは花が螺旋を描くように付く面白い特徴がありますが、ものによってはまっすぐついたり螺旋の向きが逆だったりと個性もたくさん見られ楽しいお花です。今の季節に見て欲しいおススメの花です。



オカタツナミソウ
(シソ科)

場所:冒険の森横など
時期:5月中旬~
花付きがよく紫色が濃いタツナミソウのお友達です。オカタツナミソウは花の付き方が1ヶ所にまとまる傾向があります。(ほかの種類はもう少し縦ラインに散って咲く)名前の由来は花の付き方が押し寄せる波のように見えることからつけられています。公園では結構な数を見ることができるので押し寄せる波の姿を観察してみてください。




ムラサキサギゴケ
ゴマノハグサ科

場所:冒険広場
時期:4月~
トキワハゼと似た雰囲気を持つ植物ですが、見比べてみるとムラサキサギゴケの方が1・5倍くらい大きいです。また、ムラサキサギゴケは紫1色で、葉っぱが地上を這うように生えるという特徴があります。この形の怪しい花を見つけたらポイントを確かめてみましょう。




コニシキソウ

トウダイグサ科

場所:パークセンター付近
時期:6月下旬~
多肉植物のような雰囲気を持つ厚い葉と、その葉に入る赤茶色の丸模様が特徴的です。ニシキソウの仲間たちはどれも似た姿をしていますが、この模様によってコニシキソウは簡単に見分けることができます。アリと深い関係を持つ植物で、花では蜜を舐めにやってくるアリたちを見ることができます。




ノアザミ
(キク科)

場所:冒険の森付近
時期:5月~
アザミ達は秋にたくさんの種類が咲きますが、日本の物で春から夏にかけて咲くのはこのノアザミとキツネアザミの2種類なのでこの2種だけ覚えておけば見分けられます。アザミの仲間は刺激によって花粉を出すため、掌で押し付けるように花びらに触れると花粉を出す様子を見ることができます。




アメリオニアザミ

(キク科・外来種

場所:冒険広場上の道路
時期:7月中旬~
道路沿いや公園などで見られる大型のアザミです。背丈は大きいもので2m程にもなり、存在感抜群です。背丈が大きい以外にもかなり鋭いトゲを持ち、気を付けていないと、ケガをする可能性があります。外来種ですがなかなか目立つ花なので一度見てみることをお勧めします。
このアザミの仲間は花の下の部分(総苞(そうぼう))もとげとげしている特徴があるため、じっくり見て欲しいですね。




ベニバナボロギク
(キク科・外来種

場所:南駐車場
時期:8月中旬~
火災の発生後や、伐採などが行われた場所にいち早く入り込むパイオニア植物の外来種です。真っ赤な花と緑の部分(総苞(そうぼう))の印象からスイカのようなカラーリングに見えます。写真は上向きですがこの植物は花を下向きに咲かせるものが多く、全体的にガクっとうなだれるような姿に見えます。ある所にはたくさんあるのですが探すと見つからないそんな植物です。ボロギクと言う名が付くものは花が咲いていても地味なものが多いので、花の時期を逃さないよう気をつけましょう。写真の状態でこの花は咲いています。




ネムノキ

マメ科

場所:風の子橋
時期:6月下旬~7月上旬
赤く見える部分は実は雄しべで、本当の花弁はこの赤い部分の根元にあります。本当の花弁は5枚の花弁を持ち、赤い雄しべに隠れてしまっているためとても地味で目立ちません。この目立つ部分で虫たちにお花があるとアピールしているわけですね。葉っぱにも面白い不思議があり、日が落ちて夜になると葉が閉じます。木全体がお休みしているような姿は一見の価値がありますよ。




モモイロツメクサ

マメ科

場所:ふれあい広場
時期:6月下旬~7月上旬
広場で見られるシロツメクサの中には赤色が混じったモモイロツメクサが見られます。数は少ないため探してみるのは大変かもしれませんがなかなかにかわいい色をしているため探してみる価値はあると思います。園芸用として売られている種類ですが、野生の物の中から偶然生まれた可能性もあります。




ママコノシリヌグイ
タデ科

場所:石小屋ダム方面
時期:7月~
蕾の時から金平糖のようにピンクで目立ちますが、花を咲かせてみれば白とピンクでまた美しい花です。この仲間には茎に鋭いトゲがあり、ほかの植物にもたれかかって成長する特徴があります。葉っぱも大きな三角形でばっちり分かりやすい特徴がありますね。



ミズヒキ
タデ科

場所:冒険広場より上の道路
時期:7月~
地上から立ち上げた旗のように綺麗な赤色の花をぽつぽつと付けます。上から見ると赤色に見えますが下から見ると白色に見えるという面白い特徴があります。葉にも特徴があり、カタカナのハの字のような黒い模様が浮かび上がるため、葉だけでも十分にミズヒキだと分かります。まれに花が真っ白のものがあり、ギンミズヒキと呼ばれます。探してみたいですね。


エノキグサ
トウダイグサ科

場所:パークセンター前など
時期:7月~
樹木のエノキの葉のように見える草です。花は非常に面白い形をしており、船のような形の苞が花よりも目立ちます。雄花と雌花で花の形が異なるため、ゆっくり観察してみましょう。エノキの仲間たちかと思いきやナツトウダイ、コニシキソウ(同図鑑参照)とお友達です。身近に生える雑草なので身の回りを探してみると近くに見つかるかもしれません。



ヒメヒオウギズイセン
(アヤメ科)

場所:冒険の森
時期:7月~
夏の暑い季節を象徴するかのような鮮やかなオレンジ色をしています。6枚に見える花弁は、ニワゼキショウやシャガなどと同じく3枚の花びらと花びらと同じ形をした3枚のガクからできています。もともとヒオウギズイセンと言う種類があり、それの交配種です。今では野生化してしまっているため比較的色々な所で見かけることができます。



ヤブガラシ
ブドウ科

場所:園内各所
時期:6月下旬~
つる性の植物で色々な場所で見かけられます。花はすぐ散ってしまうため綺麗な状態で見ようと思った場合には朝早く見る必要があります。写真のピンク色の花は既に散った後です。ハチの仲間が大好きな花のため、草を放っておくと夏本番にはスズメバチアシナガバチがたくさん飛んできてしまいます。



サルスベリ

ミソハギ科)

場所:パークセンター付近
時期:7月中旬~
サルも登れないと言われる程つるつるの木の幹を持ちます。サルスベリを見つけたらその木の幹を実際になでてみましょう。
葉にも特徴があり、右に2回左に2回続けて出るというコクサギ型の葉の付け方をします。
細かい花にはたくさんの虫たちが訪れており、コガネムシの仲間やハチの仲間がよく見られます。




ヒガンバナ
ヒガンバナ科

場所:冒険の森入口
時期:8月~10月
お彼岸の季節に咲く有名な花です。根っこにはゆり根のように塊状で強い毒がありますが、ヒガンバナの毒は水溶性であるため食べるものがない時にはしっかりと水抜きをすることで食べていたそうです。花は赤いリボン状の部分で6枚咲き、1枚の花びらからはおしべが6本とめしべが1本飛び出るため、にぎやかな姿をした花になります。



キツネノマゴ
(キツネノマゴ科)

場所:ふれあい広場奥など
時期:8月下旬~
キツネノマゴ科は日本では数種類しかない植物で、よく見かける種類は9月頃に見られます。湿った環境でよく見られ、紫色の舌のような花びらが目立ちます。それと同じくらい花を支えるトゲ状のような部分も目立ちます。この部分は、多数の花を支える軸なので苞(ほう)と言います。ドクダミヤマボウシの白い部分と同じ役割です。

あいかわ公園 山野草図鑑 夏 黄色の花

春の図鑑で見られる植物でも6~9月に見られるものは載せてあります。
コモチマンネングサ
(ベンケイソウ科)

場所:石小屋ダム方面
時期:5月下旬~
厚みのある葉をつけ、触ってみるとまるで多肉植物のような質感をしています。コモチマンネングサは園芸種のように見えて実は在来種ですが、この仲間は排気ガスなどの汚れた環境にも強いため、緑化目的で植えられたものが野生化したものも多いです。花は密度が高いため黄色のカーテンのように地面を覆い、とても綺麗です。むかごという自分のクローンをつくるため、子持ちの名がつけられています。




クスダマツメクサ

マメ科外来種

場所:石小屋ダム
時期:5月中旬~
春図鑑のコメツブツメクサ、コメツブウマゴヤシと写真で見るだけですと非常に似ていますが、大きさが決定的に違います。クスダマツメクサはコメツブツメクサの3~4倍ほどの大きさを持ちシロツメクサより少し小さいくらいです。日当たりのよい草地でたくさん生えています。見た目がくす玉のようですね。
名前につられてしまうと1つのお花に見えるかもしれませんが、小さな黄色い花が集まってまるで1つの花であるかのように見えています。




コメツブツメクサ
マメ科外来種

場所:芝生の上
時期:4月~5月
あいかわ公園では芝生があるエリアで見ることができます。花は非常に小さく1つ1つは1mm程度の大きさです。ですが辺り一面に生えているため芝生を探せば簡単に見つけられます。写真ではいまいち判別しにくいコメツブツメクサ、クスダマツメクサの見比べができるので花の時期に違いを見比べてみると観察がより楽しくなります。





トキリマメ
マメ科

場所:冒険広場より上の道路
時期:7月中旬~
つる性で黄色のマメ科の仲間には似た仲間がいくつか見られます。トキリマメと似た雰囲気を持ち、葉に毛がたくさんあればタンキリマメ。葉が細長く8月や9月に咲いていればノササゲが考えられます。どちらもあいかわ公園に生えている植物なので花が見られ次第乗せていく予定です。トキリマメの場合葉がかなり丸みを帯びるため、葉で区別するのがおススメです。





ジシバリ
(キク科)

場所:園内各所
時期:4月~5月
日当たりのよい所に群れて生えます。舌状花(ぜつじょうか)と呼ばれる舌状の花を持ち、辺り一面を縛るように覆う様が地面を縛っているように見えるためジシバリと呼ばれます。春に咲くニガナとも似ており、少しの土があれば岩場でも生えるためイワニガナの別名もあります。





コウゾリナ
(キク科)

場所:冒険の森入口など
時期:3月~6月
花だけを見てしまうと他の黄色いキク科との見分けが分かりません。このような花を見つけたら葉や茎を見ましょう。コウゾリナには葉にも茎にもトゲが付いています。その様子をカミソリに見立ててカミソリ菜と呼ばれていたものがなまってコウゾリナと呼ばれています。この特徴から簡単に見分けられる種類なので葉や茎での植物の見分けに挑戦したい人におすすめの植物です。




ブタナ
(キク科・)

場所:花の斜面など
時期:4月~6月
コウゾリナやタンポポと似ており、よく間違えられえているお花です。ブタナの特徴は花の茎がとても長いことです。たんぽぽの3倍くらいの茎を出してすらっと立ち上がる様を覚えてしまえば間違えることはないでしょう。ブタナは途中に全く葉をつけず、地面にべたっと葉を貼り付けますのでこの2点のポイントに注目して探してみてください。名前は家畜用のえさとして用いられたことに由来しています。





ヤブタビラコ
(キク科)

場所:ふれあい広場奥など
時期:4月~6月
藪の名の通り、直射日光が当たらないような場所で見られます。タビラコの仲間はどれも似ているため、注意が必要ですがヤブタビラコは花をつける茎が高く立ち上がらず、横に伸びる傾向が見られます。葉の雰囲気も敷物のようにぶわっと広がる雰囲気が独特で、先端に行くほど大きくなります。





ハハコグサ

(キク科)

場所:園内各所
時期:1月~6月
大きいものでは40~50cm程も立ち上がり、予想以上に迫力があります。葉に白みを帯びる独特な特徴があるほか、根元の葉がお団子をたくさんくっつけたかのようなドーム状になるため見分けやすい種類です。春の七草の1つゴギョウとはハハコグサの事であり、昔から食べられていた植物です。




ハキダメギク
(キク科)

場所:パークセンター付近
時期:2月~
少し可哀そうな名前が付けられていますが、花自体は白と黄色でとても綺麗です。タンポポとは異なり黄色の筒状の花と白い舌状の花を持ちます。どこにでも生えている草なのですが、白い花びらがとても小さい場合にはコゴメギクと言う別の種類の可能性があります。奥深い植物の種類の違いをじっくり観察してみましょう。

アカカタバミ
カタバミ科

場所:園内各所
時期:3月~
カタバミの中で葉や花に赤みを持つものはアカカタバミと呼ばれます。あいかわ公園において、カタバミはシュウ酸と言う弱い酸を持つことからシカの食害に合わないという長所を持っています。しかしそのシュウ酸を活かした自然観察の実験にスタッフがよく活用するため(カタバミの10円玉実験)定期的に採取されます。


コナスビ
サクラソウ科)

場所:森のわたり橋付近など
時期:5月~
身近で見られる貴重なサクラソウの仲間です。サクラソウの仲間は5枚の花弁を持ちます。園芸用のプリムラなどの仲間も同じサクラソウなので5枚の花弁を持ちます。植物には見た目の特徴が名付けられることがありますが、このコナスビと言う植物は種の形がナスに非常に似ているためそこから名付けられています。葉にも少し厚みがあり、一度見てしまえば葉だけでも簡単に見分けることができます。



ヤマブドウ
(ぶどう科・可食)

場所:山の神付近
時期:5月下旬
秋ごろに食べられる実をつける野生のぶどうです。ブドウの仲間には似たものが多いのですが葉と一緒にでる巻きひげに注目しましょう。
巻きひげが毎回必ず出ていればノブドウ科、2回出て1回休みならばぶどう科と判断することができます。
秋に付ける実は当たり外れが大きく、寄生バチが卵を産み付けていたりするのでそのあたりには注意が必要です。



ヒペリカムヒドコート
(オトギリソウ科・園芸種)

場所:パークセンター付近
時期:6月上旬~下旬
キンシバイの園芸品種で、より大輪の花をつけます。葉にも特徴があり、キンシバイのように左右真横に葉をつけません。驚いたことに斜めに葉をつけるのです。ちょうど右手を右上に左手を左下にピンっと伸ばしたような葉の付き方をします。面白いので是非見てみましょう。花はバラ科のように見えますが、実は同じように5枚の花弁を持つオトギリソウ科です。




ビヨウヤナギ
(オトギリソウ科)

場所:風の丘
時期:6月上旬
キンシバイと似た雰囲気を持ち、バラ科のような花をつけますが、実際にはオトギリソウの仲間です。ヒペリカムとの見分けがつかない方は雄しべに注目してみましょう。ビヨウヤナギの雄しべはとても長く花びらと同じくらいもしくはそれより長いです。葉の付き方はシンプルな対生でこれも斜めに葉が付くヒペリカムとは違います。また、名前にヤナギが付きますがヤナギの仲間とも違います。



タケニグサ
(ケシ科・有毒)

場所:森のわたり橋付近など
時期:6月中旬~
すらっと立ち上がる姿を竹に見立てたケシ科の植物で、茎を折ると黄色い汁が出てきます。この汁は有毒で炎症を起こすこともあるため注意しましょう。伐採地などに真っ先に生えるパイオニア植物でもあるため、開けた場所で良く見つかります。



ツボミオオバコ
(オオバコ科・外来種

場所:花の斜面入口など
時期:5月~6月
日当たりのよい草地に電柱のようにたくさん立ち上がっている黄色い花はこのツボミオオバコです。広く定着している外来種のためどこでも見られますが、在来のオオバコと比べると2倍以上大きいです。花が咲いているときに、これから咲く蕾のように見えることから名付けられています。




スカシタゴボウ
アブラナ科

場所:冒険の森横
時期:6月上旬~下旬
黄色い花をつけるアブラナ科の中でも、葉に入る切れ込みが特徴的なためとても分かりやすい種類です。根元の方の葉は特に切れ込みが入ります。
葉が難しい人は葉の後の実の形に注目しましょう。細長い形であればイヌガラシ、長楕円のフルーツのような形であればスカシタゴボウです。




サルトリイバラ
(サルトリイバラ科

場所:冒険広場の道路沿い
時期:6月中旬
葉を覆うように横に広げるサルトリイバラのつるの根元に花をつけるため、サルトリイバラと言う植物を認識できていないとみることが難しい花です。花の季節には、鋭いかぎ爪上のつるがこの植物のつるの部分から出ているのでそれに注目しましょう。いばらの名の通りつるにはトゲがあります。ひっかけてケガをしないよう気をつけましょう。





アカメガシワ
トウダイグサ科

場所:冒険広場の道路沿い
時期:6月中旬
梅雨の時期に黄色い泡のようなもこもこした印象の花をたくさんつけます。花には独特な甘い香りがあり、それに引き寄せられた蝶やハチたちがたくさん周辺を飛び回っています。アカメの名は、新芽の出る時期の葉の色を表したものですが葉っぱの色合いの中ではとても綺麗な部類に入るため興味のある方は調べてみてください。



ツヅラフジ
(ツヅラフジ科)

場所:ふれあい広場の奥
時期:7月上旬~中旬
数あるつる性植物のなかでも非常に丈夫なつるをもちます。葉には革製品のようなツヤと厚みがあり、樹木かと思ってしまうような印象を受けます。ツヅラフジ科の植物はこのツヅラフジのように厚みと光沢のある葉を持つものが多いです。また、ほとんどがつる植物と言う面白い科です。



ヌルデ
(ウルシ科・有毒)

場所:石小屋ダム
時期:7月上旬~中旬
野生のウルシ科の中で最も身近な種類がこのヌルデだと思われます。危なくても種類が分からないという方は葉っぱの付いている部分に注目しましょう。ヌルデはこの部分が羽を広げたように広くなっています。また、葉にはたくさんのぶつぶつが付いていることが多いのも見分けるポイントになります。



イタドリ
タデ科・可食)

場所:冒険広場
時期:6月中旬~
フレンチで食べられるルバーブのお友達で、酸味を活かして利用することができます。植物自体は繁殖力が強く、刈り込みを行った後の場所や河川沿いなどでよく見られます。海外ではその繁殖力からとても嫌われてしまっています。太めの茎を剥いてかじってみるとイタドリの持つ酸味を簡単に味わえますよ。




ゴーヤ
(ウリ科)

場所:パークセンター
時期:7月~
スーパーなどでおなじみのゴーヤは夏のあいかわ公園で毎年育てられています。ウリ科の仲間はカボチャやキュウリ、スイカなど実にたくさんの種類が食べられています。しかしながらこれらの花を見たことがある人は少ないと思います。つる性の植物なのでネットや支柱がないと地面を這ってしまいます。

あいかわ公園 山野草図鑑 夏 白色の花

ヤセウツボ
(ハマウツボ科・寄生植物・外来種

場所:石小屋ダムの芝生
時期:5月~6月
奇妙な姿をしたこのヤセウツボ寄生植物と呼ばれ、自ら光合成をおこなって栄養を作りません。ではどのようにして栄養を得るのでしょうか?
答えはシンプルに他の植物から養分を奪います。特にクローバーなどのマメ科が好きなのでヤセウツボがある場所には大抵クローバーがあります。

(中央の茶色がヤセウツボの茎。丸い緑の葉がクローバー)
寄生の時には寄生根(きせいこん)からタンパク質を分解する成分を出し、それを相手に差し込みます。
寄生植物の多くは栄養を作る必要がないので緑色ではありません。茎を含め、白っぽい姿をしたものが多いですよ。



ウシハコベ
ナデシコ科・外来種

場所:ふれあい広場
時期:4月~
在来のハコベよりもずっと大きな外来種ハコベです。花も明らかに大きく、知識がなくとも別種かな?と疑問に思うことと思います。

花びらは1枚が根元まで深く切れ込むため、実質10枚に見えますが、本当は5枚です。ナデシコ科は5枚の花びらを持つことを知っていればきっと根元でつながっている花びらに気が付けると思います。
在来のハコベとは花の中心の めしべの数で見分けます。
ウシハコベ5つに分かれています。
在来のハコベ3つに分かれています。

(めしべの拡大がありませんでした)




トキワツユクサ
ツユクサ科・外来種

場所:ふれあい広場の奥
時期:5月
日陰で湿度のある所に見られる植物で、園芸用に持ち込まれたものが野生化しました。トキワの名が付くものは常に緑色であるものが多いです。

トキワツユクサも普通のツユクサと比較すると葉の色が濃く、一年中茂っているためこの植物が生えている日陰は圧迫感が強いです。繁殖力も強いです。




ヒルガオ
ヒルガオ科)

場所:南駐車場など
時期:5月~6月
園内の日当たりがよい場所でよく見られます。太陽光が出ている日には白やピンク色のコーヒーフィルター状の花を咲かせます。
つる植物であるため、ほかの植物に絡みついているのですが、これはより効率よく太陽光を浴びたり、虫たちに花をアピールするためです。
ヒルガオは、花の付く柄の部分ギザギザと縮れていますので確認してみましょう。ギザギザしてなければヒルガオと見分けられます。






ヤマボウシ
(ミズキ科・)

場所:ふれあい広場
時期:5月~6月
あいかわ公園にはヤマボウシハナミズキが見られます。

また、一年中葉をつける常緑ヤマボウシも見られます。園芸種としての印象が強いため勘違いされがちですが、もともと日本の自然下に自生する植物です。4枚の花に見える部分は本当の花を支える部分の軸であり、(ほう)と呼ばれる部分です。これはドクダミの白い部分と同じ役割をしています。

こちらはハナミズキのお花なのですが、花を裏返してみると花の後ろになにもありません。多くの花にはガクと言う花を支える場所があります。

最初にあったハコベもよく見てみると白いお花の後ろに緑色の花のようなものがありますよね。これが普通の花に見られるガクと言うものです。

ガクがない花は裏返せば分かります。ヤマボウシのような花では苞が花びらの役割をしています。次のドクダミでさらに話が複雑になりますが、ガクではなく苞と言う部分が花びらです。




ドクダミ
ドクダミ科)

場所:園内各所
時期:5月~
常に水気がある場所を好む独特なにおいを持つ植物です。

若葉の縁には赤い線が入っており、クローバーのような葉の形と相まって綺麗な印象を与えます。

薬効成分が豊富でドクダミ茶にして古くから飲まれてきましたが、香りには好き嫌いがあると思われます。4枚の花びらに見えるものは花びらではなく、本当の花は写真の黄色い部分たちです。

黄色い小判のようなおしべの部分と白いめしべの部分が分かりますね。いくつものおしべめしべを支えていることが分かります。
1つのお花を支えてあげるのがガク
複数のお花をまとめて支えるのがと覚えておきましょう。






ニワゼキショウ

(アヤメ科・有毒)

場所:園内各所
時期:4月下旬~6月
身近に見られるアヤメ科の仲間で、あいかわ公園では芝生が白色に見えるほどのニワゼキショウが咲いています。

6枚に見える花は花弁が3枚ガクが3枚です。

アヤメ科やラン科などに見られる同花被花(どうかひか)という特徴の1つです。白色が目立ちますが紫色もありますので探してみてください。

園内では外来種オオニワゼキショウも見られます。よく見てみると計6枚の花びらとガクの内3枚が不自然にずれています。 

ニワゼキショウとオオニワゼキショウの色は同じなのですが、些細な違いで別種に分けられています。




ソヨゴ
(モチノキ科)

場所:花の斜面
時期:5月下旬
波打つ独特の葉を持ちますが、あまり馴染みのない植物だと思います。

背丈が大きくならないので園芸用として用いられることが多く、また、秋ごろに付ける赤い実が葉っぱの上に乗っかるように見える様子が可愛い植物です。

花は1つ1つは地味ですがたくさんつけるため、意外と見栄えはいいです。辺りには虫の羽音が響いています。




テイカカズラ
キョウチクトウ科

場所:森のわたり橋付近など
時期:5月下旬~6月
木に張り付くように根を出して登っていくつる植物です。森のわたり橋付近では大量のテイカカズラの白い花が木を覆いつくし、装飾のように飾っています。

日当たりの悪い場所でならば大抵みることができる植物ですが、葉の模様が浮き上がるように見えたりと観賞用としてはなかなか楽しませてくれます。




ナツツバキ
(ツバキ科)

場所:じゃぶじゃぶ池付近
時期:6月中旬
初夏に真っ白な大輪の美しい花をつけます。中心は茶筅のように黄色い束上の雄しべが付いています。花もきれいですが樹皮にも特徴があり、樹皮の一部がはがれることで独特な模様を作り出します。花がより小さくたくさんつくヒメシャラもあいかわ公園には植えられていますので見比べてみるのも楽しいかもしれません。




ヨウシュヤマゴボウ

ヤマゴボウ科・有毒)

場所:パークセンター前など
時期:6月上旬~中旬
学校の帰り道などで必ず見かけたことがあるのがこのブドウのようなヨウシュヤマゴボウと言う植物です。いかにもおいしそうな紫色の実をつけますがその実態は有毒植物なので注意しましょう。サポニンと言う植物毒を含み、嘔吐などの症状が出ます。全草に含まれますが特にごぼうのような根に蓄えられているのでおいしそうでも食べないようにしましょう。



メリケンカルカヤ
(イネ科・外来種

場所:石小屋ダム付近
時期:6月中旬
ダム付近の辺り一帯を小麦色に染めるのがこのメリケンカルカヤです。冬になってもなくならず、白い綿花の破片のような種をつけた姿が見られます。
繁殖力の強い外来種であるため、河川などの環境でたくさん生えているのがよく見られます。



クマノミズキ

(ミズキ科・対生)

場所:冒険広場より上の道路沿い
時期:6月中旬
ミズキと似たような花をつけるため花単体での識別が難しいです。しかし、ミズキは5月中旬ごろに花を咲かせるのに対しクマノミズキは6月中旬であること。
ミズキは葉が右左右左と互生(ごせい)に付くのに対しクマノミズキは左右両方に出る対生(たいせい)であるなど明確な違いがあります。これらのことから植物に興味を持ち始めた人がその違いを見分けるポイントを学ぶのにおススメの植物でもあります。






スズメノカタビラ
(イネ科)

場所:パークセンター前
時期:3月~6月
道端や空き地などで普通に見られるいわゆる雑草です。長い茎を利用してかみ合わせ、お互いに引っ張り合うことで茎の引っ張り相撲が楽しめます。
草丈は低く20cm程の大きさですが、横に這ったりすることで地面の上に緑色の座布団が敷いてあるような雰囲気を作ります。




トキワハゼ

ゴマノハグサ科

場所:ふれあい広場など
時期:2月~
白と紫色の小さな花をつけます。あいかわ公園では芝生の上で他の植物と混じって咲いているため、ニワゼキショウなどと一緒に見られます。
花の形が面白く、舌をベーっと出したような形をしています。春には似たムラサキサギゴケと言う植物が園内には見られるので色の違いや区別点を探してみるのもおススメです。



クララ

マメ科・有毒)

場所:冒険広場より上の道路
時期:6月中旬
根や草に眩暈がするほどの苦みがあることからくらくらする草=クララ草 が省略されてクララと呼ばれています。花付きはよく、フジなどと同じマメ科であるため白い楽器のような面白い形の花をたくさんつけます。草丈も低く、目前で観察できます。このエリアはマメ科が多数みられるためマメ科ファンには絶好のスポットです。(フジ、ハリエンジュ、アカツメクサシロツメクサ、ジャケツイバラ、クララ、イタチハギがこのエリアで見れます)




シロバナアカバナユウゲショウ
アカバナ科・白花種)

場所:冒険広場
時期:5月~
身近な花は見飽きたと思うそんな植物好きの方に挑戦して欲しいのが色違いを探してみることです。アカバナユウゲショウは本来赤色なのですが、野生であっても突然色の違うものが見られることがあります。普段とは色が違うだけで印象がガラッと変わるお花の雰囲気を楽しんでみてください。また、このように見ていくと花1つ1つにも色が違うということがよく目に付くためおススメです。




シロバナネジバナ
(ラン科・白花種)

場所:園内どこか
時期:6月~
ネジバナはありふれた種類ですが白花種はとても貴重な種類のため場所は秘密です。自生での白花種は非常に珍しく、運よく遭遇するしか見ることはできません。ネジバナの場合純白花びらに入ったラメが太陽の光を受けてより強く光っているように見えます。アカバナの白色もそうですが、余分な色がなくまさに純白と呼ぶにふさわしい色合いだと思います。




ヤマハタザオ
アブラナ科

場所:冒険の森付近
時期:6月~
写真では小さく見えますが、実際には茎を30cm~80cmも伸ばす大きな背丈の花です。竿の名の通りスッと立ち上がる様子を釣り竿に見立てています。
葉や茎に毛がないものがハタザオで、大きいものだと1mにもなりますが、こちらは毛が生えるためヤマハタザオとしています。
あいかわ公園の物は最小クラスの30cm程度です。



イワダレソウ
クマツヅラ科・)

場所:ふれあい広場
時期:6月~
グラウンドカバーとしてよく利用される植物で、地面を這うように広がっていくためよく使われます。花としての特徴は赤色の花で紹介しているランタナと同じように花弁を5枚もちます。独特な花の形を覚えてしまえばクマツヅラ科は分かりやすい花の形をしています。あいかわ公園のは園芸用のものが野生化したものでしょう。



クサギ
クマツヅラ科・可食)

場所:冒険広場の道路など
時期:8月上旬~中旬
独特の臭気をもち、たいていの人が臭いと思う木なのでクサギと呼ばれています。白い花は花弁が5つに分かれ、星のような形をしています。大木のクサギはあまり見かけず、公園内では森のわたり橋から見下ろせる個体が一番大きいと思います。新芽の部分を食べることができるのでクサギの香りが気に入った方は摘んでてんぷらなどにしてみるとふわふわした感触を楽しむことができます。





ヘクソカズラ
(アカネ科)

場所:ふれあい広場など
時期:7月上旬~
なかなかにひどい名前が付けられていますが、人によっては糞の名に負けないくらいの嫌な香りがします。嫌なにおいがする葉の近くでは白と赤色のイチゴアイスクリームのような色合いがかわいい花を咲かせます。公園でなくともフェンスや柵などの絡みつける場があれば見ることのできる植物なので、興味のある方は花を参考に葉っぱを見つけて香りを嗅いでみてください。




クチナシ
(アカネ科)

場所:南駐車場
時期:6月下旬~
栗きんとんやたくあんなどの黄色をつけるために昔から染料として使われてきた植物です。甘い香りはとても心地よく、虫たちもたくさんやってきているため、花にはたくさんの虫がくっついている所を見ることができます。本来は6枚の花弁を持ちますがあいかわ公園の種類は八重咲の種類で、豪快に咲きます。
オオスカシバと言う蛾はこの植物が好きなのでよく葉にくっついている姿を目にすることがあります。



アメリイヌホオズキ
(ナス科・外来種

場所:ふれあい広場
時期:7月~
道端や道路沿いなどで頻繁に見られます。イヌホオズキの仲間は似ており、判別が難しいため恐らくアメリイヌホオズキであろうという判断です。分かりやすいのは果実を見た時に光沢があることなので、実がなっている時期にもう一度確認してみましょう。夏場はワルナスビなどを含めナス科の植物がよく見られます。



ワルナスビ
(ナス科・外来種

場所:ふれあい広場など
時期:7月~
道端などでも比較的よく見かける植物ですが鋭いトゲを持つためケガをしないよう注意が必要です。バナナのように見える部分は葯(やく)と呼ばれる部分で、花粉が蓄えられています。イヌホオズキなどナス科の植物はトマトやナスのような面白い実をつけるため、花の場所を覚えておいてぜひ確認してみましょう。




ハナイバナ
ムラサキ科

場所:パークセンター前の花壇など
時期:8月
道端などで普通に見られるムラサキ科の花ですが、3mm程の非常に小さな花なので目を凝らして探していないと見つけられません。花びらは根元でくっついていますが5枚に分かれるのがこの仲間の特徴です。加えて花の中心にはパッとみ円形に見えるラメの入った模様が見えます。ここも実は花びらなのでこの仲間は外の大きな花びらと内側の小さな花びらを5枚ずつ持つという面白い特徴が見られます。葉と葉の間に咲くことから葉内花(はないばな)。



タカサゴユリ
ユリ科

場所:南駐車場
時期:8月
道端などで普通に見られるこの形のユリの仲間では、花の付け根に紫色の線が入るタカサゴユリと線が無く真っ白なテッポウユリが見られます。
ユリの仲間の花粉を貯める部分(葯(やく))は振動を感知して花粉を振りまくため、漢字の丁の字のように付きます。辺りに甘い香りを漂わせてやってきた虫に花粉を振りかけるわけですね。花びらは3枚ですが、花びらと同じようなガクを持つため実質6枚あるように見えます。ユリやアヤメの仲間に見られる特徴ですね。

あいかわ公園 山野草図鑑 夏 その他色の花

ツユクサ
ツユクサ科・)

場所:ふれあい広場奥 冒険広場付近など
時期:6月~
青い羽のような花びらと真っ黄色の雄しべが綺麗なお花です。花には青色の色素があり、この花をすりつぶしてみると絵の具のように遊ぶことができます。これは水で溶ける性質を持つため、服が汚れてしまってもきれいに洗い流すことができます。一番きれいな明るい黄色の雄しべは実は仮のもので、これに付く花粉では受粉しません。ツユクサはたくさん生えているので手元でじっくり観察してみてはどうでしょうか。



ウスイロツユクサ
ツユクサ科)

場所:石小屋ダム
時期:7月上旬
青いツユクサの中でも色味が薄く、より紫色に見えるものをウスイロツユクサと呼びます。あいかわ公園ではツユクサはたくさん見かけていますがこのウスイロツユクサは石小屋ダムの方面でしか見つけられていません。やはり、色違いの花となるとなかなか見つけるのは難しいですね。
新しい刺激を求めて身近な花の色違いを探してみてはいかがでしょうか。

イタチハギ
マメ科外来種

場所:石小屋ダム
時期:5月中旬ごろ
動物のしっぽのようにふさふさとした花をつけます。蝶やハチなどのさまざまな昆虫の蜜源となっており、花の季節には辺りを羽音が賑わわせています。
外来種として昨今問題になっている種類であり、道路わきなどの環境でたびたび見つけられます。あいかわ公園でも冒険広場沿いの道路や石小屋ダム周辺といった外来種が生えやすい環境に生えています。








スズメノチャヒキ
(イネ科)

場所:石小屋ダム
時期:5月~
道端で普通に見ることができるイネ科の仲間です。イネの仲間は似た種類が多く、種類を絞り込むのは大変です。スズメノチャヒキの場合穂が円を描くように付き、垂れ下がりますが似たような形態としてカモジグサやカラスムギなどがあります。
長く飛び出た細い部分は「のぎ」と呼ばれ、イネ科の種類を絞り込む際に役立ちます。スズメノチャヒキはのぎの数が多いです。




カモガヤ
(イネ科・外来種

場所:ふれあい広場奥
時期:5月~
様々な場所で発見されるカモガヤは、今ではイネ科花粉症の原因ともされており花粉症持ちの方には嫌な植物かと思います。花はふさふさのうさぎのしっぽのような塊状で付き、もこもこした印象を与えてくれる見た目癒し系の花です。触ってみると面白い感触をしていますよ。




エノコログサ

(イネ科)

場所:園内各所
時期:8月中旬ごろ~
子供たちにも人気のふわふわした質感が人気の植物です。毛虫のように見える細長い部分は刺毛(しもう)と呼ばれ、この根元にお米と同じように複数の花からなるおしべとめしべの塊をつける(穂(すい))。この花の部分を摘み取って地面に置き、なでるとこの花が毛虫のようにもぞもぞ動く姿を楽しむことができます。刺毛の色は金色だったり紫だったり違いが見られるので色々探してみてください。




エゾノギシギシ

タデ科外来種

場所:石小屋ダム
時期:6月~
似たような見た目のギシギシ類の中で、種にトゲ上の部分があることから見分けやすいのがエゾノギシギシです。エゾと付くため北海道かと思われがちですが北海道で見つかることが多かったことが由来です。春図鑑のスイバよりは弱いですが酸味があるためそれを活かして食べることができます。
個人的には食べるならスイバの方をお勧めします。(写真は種)




オニドコロ
ヤマノイモ科・有毒)

場所:ふれあい広場奥
時期:7月下旬~
ヤマノイモと非常に似た有毒植物のオニドコロは、葉が右左と交互に付くという特徴があります。ヤマノイモは左右両方に出るため茎に対する葉の付き方を確認しましょう。トコロの仲間はそれぞれ似ているものが多いですが、花が咲く時期でタチドコロ(5月)とは見分けられます。
葉は丸みを帯びるものが多いので、その点に注目してみるのもおススメです。




オオニシキソウ
トウダイグサ科

場所:冒険の森入口
時期:8月
コニシキソウと同じニシキソウの仲間の中でも茎が大きく立ち上がる点で見分けるのは簡単です。一応食べられるスベリヒユと姿が似ているので、間違って食べることが無いように気をつけましょう。花付きはよく、トウダイグサ科と言うこともあり、白く目立つ腺体が目立ちます。花びらのように見えるこの部分は付属体と呼ばれるパーツで、花びらの無い花が虫にアピールできるようにしています。




コヤブタバコ
(キク科)

場所:冒険の森入口
時期:8月
キク科の花の中でも少し変わった花をつける仲間です。似た植物にヤブタバコがありますが、花の付き方に注目してみてみましょう。写真のように茎の先端に花をつけるのであればコヤブタバコもしくはガンクビソウの仲間です。花の色が白いコヤブタバコと黄色いガンクビソウで見分けます。また、花を守る苞葉が4~5cm程と大きければコヤブタバコです。一方で茎に張り付くように花が咲いていればヤブタバコです。この仲間は粘り気を出し、動物などに種をつけて種子を飛ばす戦略を持ちます。うっかり触ると取るのが大変なので気をつけましょう。

あいかわ公園 山野草図鑑 春 黄色の花

ヤマブキ
バラ科・5枚の花びら)
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場所:冒険の森~森のわたり橋
時期:3月下旬~4月
垂れ下がるような木の姿と大きな5枚の花弁が特徴的な植物です。日当たりの悪いような環境を好むため、ふれあい広場の奥側や、沢沿いのエリアで見かけることができます。バラ科の植物は5枚の花弁を持つものが多いです。参考にしてみてください。
園内では見かけませんが、ヤマブキには白花種があります。シロヤマブキと呼ばれ、花が咲いていれば一目瞭然なのですが、実は葉でも見分けられます。
ヤマブキの葉が右左右左と左右に出るのに対し、シロヤマブキは右と左両方に葉が出ます。





サンショウ

(ミカン科・可食)
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場所:冒険の森入口など
時期:4月中旬
日本の食卓に並ぶこともあるメジャーな食材です。5月頃につける山椒の実は、生で口にすると口周りがしびれるほどの強力な味わいです。
乾燥させた実は普通に料理に使うことができます。
ミカン科らしくアゲハチョウに好まれ、背の低いサンショウの株は葉が丸裸にされていることも珍しくありません。園内では姿の似たフユザンショウ名前の似たカラスザンショウを見ることができます。

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フユザンショウ(左)とサンショウ(右)は葉の雰囲気は似ています。しかし、フユザンショウはより大型で、小さな葉を支えている柄の部分をよく見るとトゲが生えています。この違いから分かります。
葉は特徴的で、鳥の羽のようにでることから羽状複葉(うじょうふくよう)と呼ばれます。




クヌギ
(ブナ科・樹木)
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場所:ふれあい広場
時期:4月
みんな大好きカブトシムの集まる木ですが、春に花を咲かせます。動物のしっぽのように垂れ下がる花からは風が強い日には花粉が大量に飛んでいる様子を見ることができます。葉っぱの先には白くとがるトゲ状のものがあるため、この特徴に注目することで種類が簡単にわかります。
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(葉先にトゲがあるのは神奈川ではクヌギとクリぐらい)
春からクヌギの木を見つけておくと、夏に甲虫を捕まえる際により楽に捕まえられます。
ドングリの木は4~6月に写真のような花を咲かせるため、この仲間の多いあいかわ公園では花をたくさん見ることができます。探してみてください。





ヤブタビラコ
(キク科・舌の形の花)
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場所:ふれあい広場奥
時期:3月~5月
大きく波紋のように広がる葉とその中心で開く付箋のような花が特徴的です。類似のものが多く、見分けるためには花の大きさや、花びらに毛が付いているかなどのポイントを見る必要があります。あいかわ公園では、茎が高く立ち上がるオニタビラコがありますが、その特徴から見分けられます。
タビラコの仲間は数種類あるため、見分けるのは少し難しいです。
その中でもコオニタビラコ春の七草ホトケノザ)は数が減少している種類です。




ヤシャブシ
(カバノキ科・雌雄同株(しゆうどうしゅ))
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場所:冒険広場
時期:3月上旬
春先にまつぼっくりのような不思議な花をたくさんつけます。
雌雄同株とは、雄花と雌花が1つの木に別々に咲く花の種類を指します。
先端に付く大きなものは雄花で、数個付きます。この雄花の後ろに小さい雌花をつけます。この花の付き方によってオオバヤシャブシやヒメヤシャブシといった種類との判断に役立ちます。公園の木などに使われていましたが花粉症のもとになるため現在はあまり見かけません。
ヤシャブシの近くには同じカバノキ科のヤマハンノキが咲いているので見比べてみましょう。
前年度の実が水を酸性に傾ける性質があるため、熱帯魚水槽に使われることがあります。


ヤマハンノキ
(カバノキ科・雌雄同株(しゆうどうしゅ)
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場所:冒険広場
時期:3月上旬
ヤシャブシと同じく冒険広場の木製の柵がある場所に見られます。ヤマハンノキもヤシャブシのように変わった形の花を咲かせますが、こちらの場合動物のしっぽのように長く垂れ下がります。長く垂れ下がるのは雄花であり、花粉を飛ばす役割を持ちます。一方の雌花は枝の付け根にブラシのような姿をしてついています。ヤシャブシなどと合わせてハンノキ花粉症の原因となるため、春の花粉症がある方は注意が必要です。

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左が雌花 右が雄花。1つの植物でこんなに形が違うのも面白い点ですね。


ミツマタ
ジンチョウゲ科・有毒
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場所:パークセンター前
時期:3月~4月上旬
和紙作りなどにも使われた人となじみの深い有毒植物です。枝が三つに分かれる特徴があるため、三ツ又(みつまた)と呼ばれます。香りの強い花をつけるため、春にはこの花の周辺をアブラムシやハチなどが飛び回ります。そしてそれを待ち構えるクモを見ることができ、食べる食べられるの生態系を観察することができます。
パークセンターの前には赤色のミツマタもあり、3月頃になると越冬した蝶などもやってきます。
アカタテハやテングチョウがやってきていました。)
園内ではシカの食害を避けるため、こういった有毒な植物が多数植えられています。 生えている植物からその場所の環境を推測してみるのも面白いですよ。
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ミツバチやチョウの観察にとてもおススメです。




マンサク
(マンサク科)
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場所:工芸工房村前
時期:2月上旬
春に咲く植物の中でもとりわけ早く咲くものがこのマンサクです。あいかわ公園では黄色花と赤色の花の2種類が咲いています。黄色の色合いが薄く、黄緑色に近いマンサクも花の斜面で確認しています。
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(黄緑色のマンサク)
イベントで使う紙飾りのような面白い花は他の花ではなかなか見られない形です。
花はよく見てみると4枚のひらひらした細長い花びらと、その付け根に赤いガク(花弁を支える)が4枚、おしべも4つあります。



ヘビイチゴ
バラ科キイチゴ
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場所:ふれあい広場
時期:4月
サクラが終わるころに苔の上などで鮮やかに目立ちます。このタイプの花にはいくつか種類がありますが、イチゴの形になるものは花の中心部分に膨らみがあります。
膨らみがある→ヘビイチゴヤブヘビイチゴ
膨らみがない→キジムシロ、ミツバツチグリ といった感じです。
下記のミツバツチグリと花の中を比較してみてください。
より湿った環境を好むものにヤブヘビイチゴがありますが、葉先がとがっていなければヘビイチゴです。



ミツバツチグリ
バラ科・)
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場所:花の斜面
時期:4月
ヘビイチゴの仲間に似た花をつけますが、花の中央の部分を見るとイチゴになる部分がありません。そのため、ヘビイチゴとは簡単に見分けられます。
似た仲間のキジムシロとは茎が地面を這い、そこから新しい株を出すかどうかで見分けられます。
ミツバツチグリは匍匐茎(ほふくけい)、またはランナーと言う特別な茎を辺りに伸ばし、根の着地した場所から新たな株を発生させます。




フキ
(キク科・雌雄異株(しゆういしゅ))
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場所:冒険の森~森のわたり橋
時期:2月~3月
山菜として親しまれる春の代表格な植物です。あまり知られていませんが花には黄色と白色の2種類があり、それぞれ雄と雌に分かれます。香りは独特の清涼感と苦味を含みますが天然物は特にこの香りが強いです。天ぷらにすると風味が好きな方はおいしく食べられるでしょう。
味噌と合わせて作るフキ味噌もこの香りが好きな人にはたまらない一品で、春の味覚として強い人気のある植物です。
園内ではイノシシによる食害で数がどんどん減っています。




ヒュウガミズキ
(マンサク科)
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場所:ふれあい広場奥
時期:3月中旬
園芸用に植えられることの多い仲間ですが、似たものにトサミズキがあります。そんな時は付いている花の数と花の中心の色に注目しましょう。花の数が2~3個であればヒュウガミズキで、7個も8個もついていればトサミズキです。さらに花の中心の色が黄色ければヒュウガミズキで赤ければトサミズキです。
ふれあい広場の奥で壁のようにたくさんのヒュウガミズキが咲いている所を見ることができます。なかなか見ごたえがあるので、お花好きの方はぜひ行ってみてください。



ハハコグサ
(キク科・筒状花(とうじょうか))
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場所:パークセンター前の植込みなど
時期:2月~6月
春の七草といえば セリ ナズナ ゴギョウ ハコベラ ホトケノザ スズナ スズシロこれぞ合わせて春の七草で有名です。ハハコグサは名前が違いますがゴギョウとして七草に数えられています。舌のような花の舌状花(たんぽぽなど)をつけるものがキク科には多いのに対し、ハハコグサは筒状花と呼ばれる筒状(とうじょう)の花だけをつけます。なのでぼこぼこしたような印象を受けます。
葉にも特徴があり、いかにも食べたらおいしそうな柔らかさをしています。
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葉にはやわらかい毛が多数生えており、ぬいぐるみのような優しい質感です。




ノボロギク

(キク科・筒状花)
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場所:南駐車場
時期:4月
この花は何時咲くんだろうと思っているとタネになっているのがこのノボロギクです。写真の状態でしっかりと咲いており、基本は筒状の花だけをつけます。
タネは先端にぼふっと付き、カップケーキのような可愛い形になります。
似た花が多いキク科の中でもその形から分かりやすい種類で、夏に咲くベニバナボロギク(夏、赤色の花)は色以外そっくりです。
ノボロギクも葉に特徴があります。
かなり固いギザギザの葉を持つのです。
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セイヨウタンポポ
(キク科・舌状花)
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場所:日当たりのいい場所
時期:2月~6月
気づかぬうちに日本のたんぽぽと入れ替わっていた外国人のタンポポです。自分一人で増えられるほか、日本のタンポポとも混ざるため、どんどん勢力を広げています。見分け方はたんぽぽの裏側を見てみましょう。そこが反り返っていればセイヨウタンポポです。
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裏のこの部分がぴったりとくっついていればカントウタンポポで、ぼさぼさに離れていればセイヨウタンポポです。この写真はカントウタンポポです。



カントウタンポポ

(キク科・舌状花)
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場所:日当たりのいい場所
時期:3月~5月
今ではなかなか見かけることのできない存在となってしまったタンポポです。見分け方としては花の裏側に注目してみましょう。カントウタンポポは花の裏側の部分が反り返りません。雑種も多いため中途半端に反り返るものなど色々あります。ひっくり返してみると面白いですよ。
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一つ上のセイヨウタンポポで紹介したカントウタンポポの裏側と比べると一目瞭然ですね。寝ぐせのようにぼさぼさになっています。これはセイヨウタンポポの裏側です。

ジシバリ
(キク科・舌状花)
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場所:冒険の森入口斜面
時期:4月~5月
日当たりのよい場所で見られ、多くの人がタンポポだと思っている花です。葉は小さいのですが数が多く、まるで地面を縛っているかのような様子であるためジシバリと呼ばれます。園内各所の様々な所で生えています。背丈が10cm以下なので、探してみましょう。花は地面から直接咲いているように見えます。





オオジシバリ
(キク科・舌状花)
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場所:森のわたり橋
時期:5月
ジシバリの名の通り前者とうり二つなのですが、葉の形と大きさに違いがあります。オオジシバリの葉はヘラのような形をしています。草丈も大きく20cm程に立ち上がるため、立ち上がらずに地面から直接生えるように見えるジシバリとは簡単に区別できます。
ジシバリとともに花だけでは次やその次に紹介するニガナ、ブタナとの区別に苦戦するかもしれません。
ニガナは花弁が5枚と少ないので、そこに注目するだけで区別できますよ。





ニガナ
(キク科・舌状花)
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場所:森のわたり橋
時期:5月
キク科の中でも5枚の花びらのみをつけるため見分けやすい(個体差はある)ですが葉の形にも特徴があります。葉の根元が茎を抱っこするように付くのでその部分も確認してみましょう。
ニガナは食用可能です。キク科の多くは春菊のように特有の苦みを持つものが多いです。



コウゾリナ
(キク科・舌状花)
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場所:冒険の森入口など
時期:2月~5月
葉や茎に赤いトゲを持つためそのポイントに注目すれば簡単に見分けられます。
黄色のキク科の花は花に注目するとどれも同じに見えるので、葉や茎にある特徴に注目しましょう。コウゾリナはそのざらつく様をカミソリに見立て、それがコウゾリとなまったものに由来するそうです。
草丈はジシバリやオオジシバリと比べると圧倒的に大きく、50cmを超えることもあります。
ブタナと同じ背丈なので、間違えるとしたらブタナでしょう。 しかし、葉を見比べると全然違うことが分かります。





オニノゲシ
(キク科・舌状花)
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場所:ふれあい広場
時期:4月
葉っぱの端がトゲで覆われており、いかつい様子であるため鬼の名がつけられています。人間が触れてもチクリとするため触るときには注意しましょう。園内ではあまり見かけない植物です。鬼ではない普通のノゲシ(ハルノノゲシとも呼ぶ)はコンクリートの隙間や日当たりのいい土の上などでよく見られる。
立派な茎は食用にもできるようで、茎レタスという食材に似ていると言われています。機会があれば挑戦してみたいですね。






ブタナ
(キク科・舌状花)
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場所:冒険広場付近
時期:3月~5月
すらっと立ち上がる姿が印象的です。タンポポに似ていますが花をつける茎が60cm近くまで立ち上がります。豚などの飼育されている動物に食べさせる草として使われていました。葉は地面にべたっと張り付くためタンポポに似た花の中ではわかりやすいです。 上記の黄色いキクの仲間には蝶たちがやってくることも多いので要チェックです。





コナスビ
サクラソウ科・花弁5枚)
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場所:冒険の森~森のわたり橋
時期:5月
最も身近に見られるサクラソウの仲間だと思われます。(園芸種を除く)花の後にできる種の形が、夏の野菜であるナスのでき初めのころの形にそっくりであるため、ナスの名がつけられています。実際にはナスとは何も関係ありません。
サクラソウの仲間は山の中や岩場などで見られるものが多いため、花を見られる機会は多くありません。可愛らしい花をつけるので探してみてくださいね。




キブシ
(キブシ花・筒状花)
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場所:冒険の森入口~森のわたり橋
時期:3月中旬
春に風鈴のような風になびく様が美しい花です。5月頃に咲くフジに似ていることからキフジと呼ばれることもあります。この意味に加え、ブシには渋み成分であるタンニンを指す意味もあります。昔は染料にタンニンが用いられていたため貴重なタンニンを含む植物は重宝したのです。
キブシを見ると春の訪れをとても感じます。同じ時期のアブラチャンやダンコウバイなどと一緒にぜひ見て回ってほしい植物の一つです。




カタバミ

カタバミ科
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場所:日当たりのよい場所
時期:2月~5月
葉っぱに日が当たると開き、日が沈むと閉じるという就眠運動を行います。さらに葉にはシュウ酸と呼ばれる酸が含まれており、これを用いて10円玉で遊ぶことができます。財布から10円玉を出してカタバミの葉をつぶし、ごしごしと磨いてみましょう。どのような結果になるのでしょうか?
あいかわ公園では酸っぱい風味を持つことでシカなどの食害を避けているのではないかと予測されます。




アカカタバミ
カタバミ科
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場所:花の斜面
時期:2月~5月
カタバミの中でも葉が緑ではなく暗い赤みを帯び、花にも赤い線が現れるものをアカカタバミと呼びます。同じ種類であっても色合いが異なるものがまれに見つかるため、見過ごさないように注意しましょう。そのようなものを見つけるととてもうれしい気持ちになれますよ。
色の違うものは偶然に生まれます。普段歩いている所によく目を凝らしてみると色の変わったものがあるかもしれません。
春の図鑑では本来紫色のキランソウがピンク色をしているもの(春、赤色の図鑑)や本来赤色のアカバナユウゲショウの白花(夏、白色の図鑑)が見られます。
ヤマトシジミの食草であり、園内でもたくさんのヤマトシジミが見られますよ。
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ヤマトシジミはもっとも普通に見られるシジミチョウです。目が灰色なので分かりやすいですよ。)




オッタチカタバミ
カタバミ科外来種
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場所:園内各所
時期:4月~5月
カタバミに似ていますが、花の茎をグッと高く伸ばして花をつけます。カタバミを見たことがあれば背の高さから違和感を覚えることは間違いありません。あまり知られていない種類なのでカタバミだと思っている方も多い面白い種類です。
園内では石小屋ダムの方面でよく見られます。法面沿いを覗いてみましょう!






アブラチャン
クスノキ科・柄がある)
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場所:冒険の森横の沢
時期:3月中旬
春先に木を黄色にコーティングする可愛い花をたくさんつけます。クスノキ科の中で似た花がありますが、花が付く部分に明確な柄があればアブラチャンと分かります。なければダンコウバイです。アブラチャンには油分が多く含まれておりそのことから名付けられています。また、木の根元から枝分かれすることが多いです。
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(大きな株になると枝分かれがかなり目立ちます。すべすべの樹皮と合わせて分かりやすい種類ですね。)



コメツブツメクサ
マメ科
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場所:冒険広場 ふれあい広場
時期:5月
花は1mm程度の超小型です。葉の緑に隠れているため目をよく凝らさないと見つけられないでしょう。黄色い部分一つ一つが花になっており、しっかり観察するとマメ科に特有の花の形をしているのが分かります。(蝶形花(ちょうけいか))探してみてくださいね。
園内ではよく見られるマメ科なのでシジミチョウなどの小型の蝶がやってきています。特にツバメシジミマメ科を食草としているため、よく探してみましょう。
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(ツバメシジミはお尻にオレンジ色の模様と、針状の突起があるのが特徴です)



イタヤカエデ
(カエデ科)
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場所:パークセンター前
時期:4月上旬~中旬
赤色系が多いカエデですが黄色系の花も見られます。イタヤカエデは細部の異なる種が非常に多い種で、亜種変種がたくさん見られます。(オニイタヤ、エンコウカエデなどが有名)
それらの総称をイタヤカエデとここでは呼びます。花はカエデの仲間が垂れ下がるものが多いのに対し、本種は上向きに咲きます。
カエデの仲間はカミキリムシによる食害をよく受けます。ゴマダラカミキリやアオカミキリ(未確認)がいるかもしれません。
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(ゴマダラカミキリツツジやカエデの仲間でよく見られる)




キツネノボタン

(ケシ科・有毒
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場所:ふれあい広場奥
時期:4月
黄色い可愛い花をつける有毒植物です。ケシの仲間はそのほとんどが有毒植物です。茎や葉を傷つけると黄色い有毒な液体が出てくるため、転んで草の上に倒れたりしないように注意しましょう。
キツネノボタンは名前に毛が付く通り葉や茎にびっしりと細かい毛が生えています。毛の有無と果実の形で似たキツネノボタンと判別できるため覚えておくと役立ちます。

あいかわ公園 山野草図鑑 春 白いお花

ミドリハコベ
ナデシコ科・花弁が5枚)

場所:日当たりのよい所
時期:2月~4月
どこでも見られる七草のハコベラには5枚の花弁があります。1枚の花びらに切れ込みが深く入るため、見た目上は10枚の花弁があるように見えます。似た種類に茎が赤いハコベや、より大型のウシハコベがあります。ポイント(ほかの種で説明)をしれば簡単に見分けられます。七草と言うことで食べられますが、食べても味はあまりしません。天日干ししたハコベと塩を混ぜるとハコベと言う緑の塩が作れます。見た目が華やかなので天ぷらなのに利用すると彩を加えられます。

小さな花ですが群れて生えるため、見ごたえのある植物です。おしとやかな感じが素敵ですね。




ウシハコベ
ナデシコ科・外来種

場所:ふれあい広場の端
時期:4月
ミドリハコベより1周り大きく、見比べればすぐ見分けられますが、1種だけで見ると難しいかもしれません。そんな時には花の中心のめしべの形に注目しましょう。
先(めしべの頭)が3つに分かれていればミドリハコベ、5つに分かれていればウシハコベです。めしべは花の真ん中にあります。そこから分かれている白い線の数を比較して数えてみてください。こちらは外来種で、かなり大型です。


ミチタネツケバナ
アブラナ科・花弁4枚)

場所:日陰
時期:2月~4月
日当たりの悪い所なら大抵みられる大根のお友達です。放射状に広がる独特の葉を持ち、中心から茎をのばします。より大型のタネツケバナは逆に日当たりのよい所を好みます。大根の仲間たちは上に2枚下に2枚の計4枚の花弁を持ちます。(アブラナ科の特徴)たねは竹刀のような形で、刺激ではじけ飛ぶ面白い種です。この性質からタネツケバナの仲間の種は非常にべたべたとしています。見つけたら触ってみるのもおススメですよ。手で軽くはじいてみると、種がはじけ飛ぶ様子を見ることができます。

種は真上を向いてたくさんつきます。赤茶色~緑色まで様々にあります。そこらじゅうで見かける外来種です。



ユキヤナギ
バラ科・花弁5枚)

場所:南駐車場や風の丘付近
時期:4月
ヤナギのようにしなだれる形が尻尾のように見える面白いお花です。ヤナギの名前から勘違いされがちですが、桜と同じバラの仲間です。バラの仲間には花弁が5枚あります。その見た目から庭木として人気があり、目にする機会が多い種類です。動物の尻尾のようなお花は散る時まで美しく楽しませてくれます。
花付きがよく、蝶たちがやってくることも多いので、↑の場所を参考に見回ってみましょう。


ヤエムグラ
(アカネ科・花弁4枚)

場所:日陰で少し湿るような場所(あいちゃん号発着場など)
時期:4月~5月
知らなければ気づくことができない地味な花をつけます。この写真もかなり拡大したものであるため、ヤエムグラを知っていても花を知らないという方は多いと思います。 
茎や葉には下向きのトゲが生えており、ほかの植物にもたれかかって倒れないように上を目指します。茎をブローチのように服に貼り付ける「ヤエムグラのブローチ」が草花遊びとして子供たちに人気です。 全部取ってしまうといなくなってしまうので、植物のことも考えて遊んであげましょう。


ミミガタテンナンショウ
サトイモ科・特殊な花

場所:ふれあい広場奥の林 冒険の森~森のわたり橋
時期:3月~4月
花のように見える部分は仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれ、この仲間に特有の葉が進化した部位です。写真中央のレバーのような部分は、キノコバエなどの花粉を運ぶ生き物が上り棒のようにつたっていくための棒で付属体(ふぞくたい)と呼びます。つまり、本当のお花はこの棒の根元に咲いています。こんにゃくのお友達ですが針のような結晶の集合体のためそのままでは食べることができません。

実はこちらです。秋ごろになると真っ赤に染まり、美味しそうな見た目になります。子供が果物と間違えて口にしてしまう事故がまれに起こるため、気をつけましょう。

スイセン
ヒガンバナ科・有毒)

場所:噴水広場
時期:12月~4月
細長い葉が特徴的な有毒植物です。ニラの仲間との見分け間違いが多く、毎年食中毒が発生しています。
スイセンには特有にニラ臭がないためその点を確認しておきましょう。
花の形がユニークで白い花びらが6枚、このうち花弁が3枚で花びらと同質のガクが3枚あります。

白い花びらには手前側と奥側があり、立体的です。 中心は副花冠(ふくかかん)と言い、内側にはおしべとめしべが見られます。



ハルジオン
(キク科・筒状と舌状の花)

場所:ふれあい広場などの日当たりのよい所
時期:4月~7月
ピンクや白など色合い豊かなタンポポのお友達です。タンポポの仲間には筒状のお花と舌状のお花を持つ者がいます。ハルジオンは2種類とも持つタイプなのですが、写真中央の黄色い部分が筒状花(とうじょうか)で周りの線状のものが舌状花(ぜつじょうか)です。家の周りで見かけたらちぎってみてください。白色の物からピンク色が強いものまで、色の幅があります。また、ヒメジョオンと言う似た植物があります。見た目はうり二つなのですが、葉が茎に抱き着くように付いていればハルジオンです。

蝶類に人気のお花で、セセリ科の蝶やシジミチョウの仲間がよくやってきています。



ハナイバナ
ムラサキ科・花弁5枚中心に丸模様)

場所:冒険の森~森のわたり橋
時期:通年(4月はみやすい)
非常に小さい3mm程度の花をつけるため、知らないと見つけることができません。造形は宝石のように美しく、キラキラした花弁の中央に丸い模様が入り込みます。ムラサキ科はあまり馴染みがない名前ですが身近にも2種類は生えています。(春その他色のキュウリグサ)この特徴で探してみてください。



ハキダメギク
(キク科・筒状と舌状)

場所:パークセンター前の植込み
時期:1月~4月
ハキダメギクは昔フンを捨てるような場所に生えていたために名づけられましたが、花の見た目のわりに酷い名前が付けられてしまっています。白い舌状花(ぜつじょうか)は5枚が基本ですが、それ以上に生えることも多いです。 似たものにコゴメギクがありますが、白い花びらがわずかに付きます。
白い舌状花に対して黄色い場所は筒状花(とうじょうか)と呼び、キク科植物の仲間はこの時点で花を引き抜くとタンポポの綿毛のようなものが付いています。成長するとこの綿毛を利用して別の場所へ飛んでいくのはタンポポと同じですね。外来種の植物です。



ニリンソウ
キンポウゲ科・可食)

場所:パークセンター横の通路(双眼鏡が必要)
時期:4月
湿った場所に生える春の代表的な植物で、この花が咲くといよいよ春が来たという雰囲気になります。白い花をつけますが、実際にはこの花はガクと呼ばれる葉が変化した部分になります。花の裏を見てみると本来花の裏にあるガクが付いていません。なので植物学上は花びらを持たない花という面白いものになります。毒を持つものが多いキンポウゲ科の中では珍しく山菜として食べられますが、猛毒のトリカブトと似ているためおすすめしません。花が一輪咲くイチリンソウ、3輪咲くサンリンソウなど名前遊びが面白い仲間たちがいます。

クサイチゴ
バラ科・実は可食)

場所:森のわたり橋など
時期:4月
非常に身近な美味しいキイチゴの仲間です。赤い大きな実をつけ、その実は生食しても甘みを感じることができます。特有の草っぽい香りがあるため、ジャムなどにして食べるほうが美味しいです。
実は5月頃にできますが、野生動物にも人気なため見かけたらラッキーですね。


ニガイチゴ
バラ科・実は可食)

場所:花の斜面左上
時期:4月
大粒な実をつけるキイチゴの仲間の一つです。花は他のキイチゴたちに比べ細長く見分けやすいですが、それよりも葉の形で見分けるのがおススメです。ニガイチゴはネズミのシルエットのような形の葉をつけます。また、葉の付け根部分に赤色の線が入るものが多いです。

6月上旬から中旬ごろにかけてイチゴを見ることができます。果肉は甘く、種を吐き出せば美味しく食べることができます。バラ科なのでトゲには注意しましょう。




モミジイチゴ
バラ科・可食)

場所:花の斜面スロープなど
時期:4月
5月に黄色い大粒のイチゴをつける野イチゴの仲間です。甘酸っぱいイチゴはとてもおいしく、日当たりのいい場所のイチゴをふと見つけて口に入れるのが楽しみになってしまうほどです。低木なので伸びても2m程の背丈であり、まとまって生えるため、慣れると簡単に見つけられます。花が下向きに咲くので下から覗き込むようにしないと実が見つかりません。

身近な野で見られるキイチゴ類の中では一番おいしいと思われるため、季節になったら食べてみるのも1つの自然の楽しみかもしれません。野イチゴの中でも黄色で見分けやすいのでお勧めですよ。ただし、バラの仲間なのでトゲには気をつけましょう。低木なので引っかかると抜け出せなくなります。




ナズナ
アブラナ科・花弁4枚)

場所:ふれあい広場各所
時期:3月~4月
ぺんぺん草でおなじみな春の七草の1つナズナです。ナズナの楽器は有名な草花遊びですが、三味線のバチのようなものはナズナのタネになります。茎と種をまとめて採取して三角形の種を丁寧に下に引っ張ってみましょう。
三角の物体は実なので割いてみるとちゃんとタネが出てきますよ。上で出ていたタネツケバナと同じアブラナの仲間なので、花びらは4枚になります。

春の七草でもお馴染みですね。個体により小さなものから大きなものまで様々です。日当たりのよい環境で普通に見つかりますよ。


トキワハゼ
ゴマノハグサ科・)

場所:ふれあい広場の端など
時期:通年(2~6月確認済み)
大きな舌のような形をした面白い花です。花に見られるまだら模様のようなものは虫に蜜のありかを知らせる植物の戦略の一つです。(ネクターガイド)似たものにムラサキサギゴケがあります。トキワハゼは1周り小さく、色が白みを帯び、写真の紫の部分に切れ込みが入らない点で判断できます。ムラサキサギゴケは春紫色の図鑑にあります。名の通り紫が濃いです。2種は似ていますがランナーと言う地を這う茎を出して一面に広く葉を広げるムラサキサギゴケとその場だけで株をつけるトキワハゼと覚えておくといいでしょう。


ツルカノコソウ
スイカズラ科・散房花序

場所:ふれあい広場の湿った斜面
時期:3月~4月
湿り気を好むため日当たりの悪い場所に生えることが多いです。ツルと名前が付けられますが実際にはツル性ではありません。2枚の葉の中央から花の茎を出し、綺麗な白い花をたくさんつけます。ブロッコリーのような形のこの花の付き方を散房花序(さんぼうかじょ)と呼びます。非常に面白い花の形でスイカズラの仲間によく見られ、花の形でもある程度科を絞ることができるので覚えておくと役に立つと思います。





ハコネウツギ

スイカズラ科)

場所:森のわたり橋付近
時期:5月
もともとは海岸に自生する植物ですが、5月頃に付ける白とピンクの美しい花から観賞用として人気が高く植えられています。花はラッパ上で可愛く、背丈も大きくならない上にアーチのようにしなだれるため非常に見ごたえがあります。ハコネの名が付きますが、実際には箱根にたくさんあるというわけではないようです。





ガマズミ
スイカズラ科・可食)

場所:風の子橋付近
時期:5月
白いボンボンのようにたくさんの花をつけます。スイカズラ科は葉が左右両方に出る対生と言う葉の付き方をします。花は冬の終わりごろには真っ赤な実となり、人が食べても甘酸っぱい味わいを楽しむことができます。

公園のガマズミは年によって実の付きっぷりがかなり違います。クリなどのドングリもそうなのですが、受粉の関係なのか外れ年と当たり年があるようです。これによって秋~冬にかけての動物類の人が住む地域への出没具合が変わると言われています。




スイカズラ
スイカズラ科)

場所:森のわたり橋付近
時期:5月
べローンと大きく舌を出したような姿が特徴的な花です。黄色と白の2色の花からはほんのりいい香りを漂わせています。つる性植物のため、付近のイヌシデに大きく絡みついて木を緑色に染め上げます。花の奥には蜜があり、これを吸ったことから名付けられています。カズラはつる性の植物によくつけられている名です。
蝶のイチモンジチョウやアサマイチモンジ(絶滅危惧ⅡB類)の食草です。アサマイチモンジは公園周辺ではあまり確認されていない珍しい蝶なので、花を見がてら探してみるといいと思います。



テイカカズラ
キョウチクトウ科有毒

場所:森のわたり橋付近
5月~6月
スイカズラと同じくつる植物ですが、こちらはよく見ると木に張り付く根を出して登っていきます。葉にも厚みと光沢があり、分かりやすい種類です。2種を比較するとつる植物の世界をより楽しむことができます。キョウチクトウ科なので毒があります。


ツメクサ
ナデシコ科)

場所:ふれあい広場奥
時期:2月~5月
爪切りで切った後の爪のような葉をつけます。その葉の様子は苔の1種類のように見えるため、知らないと見つけられないかもしれません。花はナデシコ科らしく綺麗な5枚をつけ、後ろのガクの緑と合わさって清楚な印象を受けます。花は3mm程度の小さいものなので根気よく探してみてください。



スズメノカタビラ
(イネ科・頴花(えいか))

場所:パークセンター前やふれあい広場
時期:3月~6月まで確認済み
皆様が毎日口にするお米の仲間です。イネの仲間は穎花と呼ばれる独特な花を持つため、この部分を花と思っていない方も多いと思います。イネの仲間は茎が立ち上がることも多く、この部分を使って引っ張り相撲を楽しむことができます。イベントでも人気の草花遊びです。

写真の白い飛び出している部分が花粉です。頴花(えいか)は手をくの字にして重ね合わせたような花で、イネ科に特有の花です。




チガヤ
(イネ科・頴花(えいか))

場所:森のわたり橋付近
時期:5月
5月頃にふさふさでいかにも柔らかそうな穂のような花を咲かせます。チガヤは開けた場所に群れて生えることも多い植物なので、花の季節には辺り一帯をゆらゆらと揺れる穂のような風景を楽しむことができます。日本の風景らしい雰囲気を味わえるのでとてもおススメですよ。
チガヤはかなり強い植物で、同じような環境を好む外来種との競争に打ち勝つことも多い素敵な植物です。




スズメノエンドウ
マメ科・可食)

場所:冒険の森入口斜面
時期:3月~4月
スズメやカラスの名が付く植物は、大きさを表していることが多いです。つまりスズメノエンドウとは小さい豆ということです。白い花は写真のボケからもわかるようにわずか2mmもない程度の大きさです。写真を撮るのも1苦労ですが、実物を見ていない方は見つけるのにそれ以上の苦労をすること間違いなしでしょう。日当たりのよい場所でかがんで見ることをお勧めします。




ハリエンジュ
マメ科外来種

場所:冒険広場の道路
時期:5月
河川などの水辺や道路の脇などでよく見かけるようになった外来種です。木や枝にはかなり大きな鋭いトゲがあり、ケガをしないよう注意が必要です。大きく花付きがよい花の部分はてんぷらにして食べることができます。見た目もよくほんのり甘みが感じられて美味しいですよ。
ハリエンジュから作られたはちみつもあります。別名「ニセアカシアと呼ぶとピンと来た方もいるかもしれませんね。

イヌエンジュ
マメ科

場所:風の丘
時期:5月
ハリエンジュと同じく房状に白い花をつけます。フジなどと同じマメの仲間であり、特有の蝶形花(ちょうけいか)と言う花をつけます。畑で育てるマメの仲間などを見たことがあれば分かりやすいでしょう。
この時期の白いお花には色々な虫がやってきます。

数の少ないフタコブルリハナカミキリに遭遇することができましたよ。




サルナシ
マタタビ科:雌雄異株(しゆういしゅ))

場所:冒険広場より上
時期:5月
山の方で見ることができる野生のキウイフルーツの仲間です。秋に熟す実は食べることができ、味も香りを強くしたキウイと言う感じです。雌雄が別のため花が咲いていても実がなるかは分かりません。園内で手の届く範囲のサルナシは雄花の場所が1箇所、雌花が1箇所であったため、雌花の方では実が付いていました。

9月から10月頃に実がなります。コクワやサルナシの名で流通する高級な食材です。実がまだ熟している前に回収して10日ほど追熟して皮がしわしわになった辺りが食べごろで、とても爽やかなキウイ臭がします。野生ではサルなどの動物に真っ先に食べられてしまうほど人気の果物です。



シロバナナガバノスミレサイシン
(スミレ科)

場所:森のわたり橋より奥のスギ林
時期:3月~4月
全て同じに見えるスミレの仲間たちの中でも、比較的見分けやすいのがスミレサイシンの仲間です。横から見てみると後ろの部分(距と呼ぶ)がぽてっと大きいです。また、林の方でないと生えていないため該当エリア以外の物はタチツボスミレかヒメスミレです。
シロバナの名前の通り変異した種類で、元はナガバノスミレサイシンと言う種類です。
太平洋側でよく見られるナガバノスミレサイシンと日本海側でよく見られるスミレサイシンがあります。



アリアケスミレ
(スミレ科・園芸種)

場所:冒険の森入口
時期:4月
冒険の森入口にのみ生えているスミレの仲間で、白いお花に紫色のラインが入る特徴があります。また、葉の形が丸ではなくヘラのような形をしているため、見分けるのは簡単ですが白花のスミレと特徴が似ています。滅多にないので問題ありません。
園芸用の物が野生化したと考えられます。



ニョイスミレ
(スミレ科)

場所:湿った場所の近く
時期:4月
あいかわ公園では北駐車場の山道でのみ発見できています。(入れないエリア)スミレの仲間の中でも最も小さく、花は1cmあるかないかくらいです。形は箱型に近いですが、しっかり5枚の花弁を持っています。別名ツボスミレで、花に対して茎の長さがとても長いです。
湿ったような環境が好きで、発見するときは半日陰や常に湿り気の有るような地面の近くが多いです。




コブシ
モクレン科)

場所:ふれあい広場
時期:3月
まだ肌寒い3月上旬ごろに手のひら位の白い大型の花を咲かせます。コブシには枝の先に付く花をつける花芽と、枝の横から葉を広げる冬芽の2種類の芽を持ちます。それぞれ大きさが違い、花芽の方が圧倒的に大きいです。また、芽には毛が付いており、冬場の毛布のように寒さを防ぐ役割をしています。
モクレンの仲間は春に大型の花を咲かせるものが多く、民家の庭でも白色のハクモクレンや紫色のシ(紫)モクレンもよく見られます。

ハクモクレン
モクレン科)
場所:石小屋ダム
時期:3月中旬
コブシよりも巨大な上向きの花を多数つけ、非常に目立つ植物です。紫色のシモクレンと白色のハクモクレンがあり、3月には至る所で目につくようになります。花は特有の香りが見られ、匂いで虫をおびき寄せます。
花びらは手のひらほどの大きさがあり、革製品のような質をしています。落ちている花があれば触れてみるといいでしょう。


ホオノキ
モクレン科・日本最大

場所:ふれあい広場
時期:4月~5月
日本の樹木の中で最も大きい葉をつけるのがこのホオノキです。葉は輪を描くように7つほど付き、大きいものでは1枚30cmを超えます。花もそれだけ巨大で、直径は人の手よりも大きく迫力満点です。低い位置ではあまり花をつけないことと花の匂いが少し臭いのが難点です。
葉には抗菌作用があるとされており、おにぎりを包むために使われたそうです。
岐阜県では枯れたホオの葉に味噌や地産のキノコや野菜、牛などを乗せて調理する朴葉味噌と言う郷土料理があります。




ウツギ
(ウツギ科)

場所:冒険広場の道路
時期:4月~5月
ウツギという変わった名前には空木という意味が含まれています。茎の中が空洞になっているのです。
ウツギの仲間には種類が多く、梅のように咲くバイカウツギや葉が丸いマルバウツギなどの細かい違いから数種類に分かれています。
白い花を見事に咲かせるため、蝶たちから非常に人気の高い花でもあります。
タテハ蝶の仲間やセセリチョウの仲間を狙うにはうってつけの花なので、虫探しの人はウツギを探してみましょう。珍しいクモガタヒョウモンやアオバセセリなどがいるかもしれません。(パークセンター虫コーナーを参照)



エゴノキ
エゴノキ科・有毒

場所:ふれあい広場奥や南駐車場
時期:5月
下向きの白い花をたくさんつけます。これは足の弱い虫が花にぶら下がれないようにするための戦略とされています。

あいかわ公園ではこの仲間を好むエゴツルクビオトシブミ(写真)が葉を丸めていたり、葉に丸い虫こぶを作るエゴノキハウラケタマフシがいたり、種の時期にはヤマガラと言う鳥が食べにきたりと生き物たちに人気の植物です。9月頃の南駐車場では、目先1m以内でヤマガラを観察できます。




ハクウンボク
エゴノキ科・有毒

場所:花の斜面
時期:5月
エゴノキよりもさらに雲海の如く花をつけるのがこの植物です。葉が大きくふさふさなのでぜひ触れてみてください。公園では、ハマキガの仲間が葉をくるくる巻いたりエゴノキで紹介したオトシブミが小さな葉をまいたりとにかくくるくる巻かれます。(花の時期にはあまりない)
葉が巻かれている姿を見たい方は工芸工房村付近のスロープへ行ってみましょう。

花期にはエゴシギゾウムシやアオハムシダマシと言った昆虫達もたくさんやってきますよ。




ドクダミ
ドクダミ科・薬用)

場所:園内の日陰
時期:5月~6月
大抵どこにでも見られ、臭いが生ごみのようにきつい植物です。花のように見える部分は植物学的にはと呼ばれる部分です。この部分の上に棒状についているものがおしべめしべであり、花びらと呼べる部分は実はありません。 これは記事上の方で紹介したキンポウゲ科ニリンソウと同じです。単花被花(たんかひか)と言い、花びらかガクのどちらかのみを持つという変わった植物です。不思議に思う方は花の裏側を探してみましょう。記事一番上にあるミドリハコベの花の付け根にある緑色のガクがないことに気が付くはずです。
 ガクとは花弁を根元で支える部分。葉が変化したものなので大抵緑色をしています。





クサギ
(ミカン科・双眼鏡が必要です)

場所:湿った沢沿い
時期:4月
水辺を好み、沢沿いを代表する植物です。名前の由来である独特のミカン臭も特徴的ですが、最大の特徴は葉の付き方にあります。クサギ型葉序と呼ばれ、右に2回続き左に2回続くという個性豊かな葉の付き方をします。他にはサルスベリなど数の少ない面白い葉の付き方なのです。
ミカン科なのでアゲハチョウが好みます。カラスアゲハと言うとても綺麗なアゲハやクロアゲハ系が産卵しているのを見たことがあるので、アゲハを捕まえたい方はパークセンター周辺を要チェックです。








オランダミミナグサ
ナデシコ科・外来種

場所:日当たりのよい場所
時期:2月~4月
ミミの名の通り、まるいウサギの耳のような葉を仲良く同時に出します。ナデシコ科は花弁が5枚ですが、この花には花弁の先端に切れ込みが入ります。やはり外来種のため駐車場の近くやコンクリートの隙間などの近くで見つかります。在来のミミナグサは競争に負けて全国的に希少になりました。




オオシマザクラ
バラ科葉と花同時展開

場所:南駐車場
時期:3月下旬~4月
白い花と緑の葉を同時に展開するため、白と緑の掛け合いが美しいサクラです。園芸種が多いサクラですが、本種はヤマザクラと並んで自生種です。自生種を基に交配がなされて園芸種が生まれ、その園芸種たちを様々な種類と掛け合わせたため桜だけで600種以上あると言われています。




ウワミズザクラ
バラ科

場所森のわたり橋 パークセンター
時期:4月上旬
きりたんぽのような形の花をつけるため勘違いされやすいですが桜の仲間です。花をよく見るとしっかりと5枚の花弁を持つバラ科の形をしています。異なるのはそのお花がたくさんつくことでまるで1つの花の塊であるかのように見せている点です。このように柄が付いてたくさんつく花を総状花序(そうじょうかじょ)と呼びます。
後ほど実がなるのですが、山の中では動物に人気の実です。





オキナグサ
キンポウゲ科絶滅危惧種

場所:パークセンター前
時期:3月下旬
あいかわ公園に植えられているものは園芸用のものが野生化したものです。自生においては絶滅危惧種とされており、見る機会はほとんどないでしょう。翁の名の通り花の後に白髪のおじいさんのような姿に変貌します。あいかわ公園では恐らく同じ株のためその姿は見られないかもしれません。




シャガ
(アヤメ科)

場所:南駐車場付近
時期:4月
湿り気のある場所に生える園芸で人気なアヤメの仲間です。花びらは6枚あるように見えますが実際には花弁3枚、花びらと同じ質のガクが3枚からなります。アヤメの仲間は花弁とガクが同じ性質を持つ同花被科(どうかひか)という形をとります。科を絞る時に役に立つので活用してみてください。




ニワゼキショウ
(アヤメ科・同花被花(どうかひか))

場所:芝生など
時期:5月~6月
日当たりのよい芝生の上でたくさん見られる身近なアヤメの仲間です。白色の小さなお花が辺りを覆うので意外と迫力があります。6枚に見える花弁は3枚が花びら残り3枚がガクなのですが、形が似ているので同じように扱います。このような花をどうかひか と呼びます。





ジュウニヒトエ
シソ科

場所:森のわたり橋より山側
時期:4月
シソ科の中でも春に白い花をつける種類は数少ないため、見つけると嬉しい種類です。名前の由来である十二単の通り、花が幾層にもなって咲くためとてもゴージャスな花です。太平洋側では今の季節に似た花としてツクバキンモンソウがありますがあいかわ公園では見つかっていません。




チゴユリ
ユリ科・有毒)

場所:風の丘より上の林床
時期:4月中旬
背丈は10cm程度と小さく、可憐な白い花を茎の先にポツリとつけます。ユリ科の植物は葉の形がすべて似ており、芽生えの季節は同じようなものに見えます。ホウチャクソウの方が背丈が大きく(40cm)チゴユリは花がしっかり開くため区別は簡単です。




ミズキ

(ミズキ科)

場所:花の斜面 南駐車場
時期:5月中旬~下旬
茎に水気が多いことからミズキと名づけられています。実際に枝を折ると水分が滴ってきます。よく似たものとしてクマノミズキがありますが、花の時期がミズキは5月でクマノミズキは6月である点と、葉が右左右左とつくか左右両方同時に付くかでそれぞれ判別できます。



ヤマボウシ
(ミズキ科)

場所:ふれあい広場奥
時期:5月~6月
花弁のように見える4枚のものは苞と呼ばれる軸を支える葉です。ヤマボウシは花が地味なので苞を目立たせることで虫にアピールをしているのです。
秋にはおいしそうな実をつけ、鳥などが食べに来ます。実は人も食べることができる果実で、結構甘みが強いです。常緑ヤマボウシヤマボウシがあるため長い間花を楽しめます。


ヒルガオ
ヒルガオ科・合弁花)

場所:冒険の森
時期:5月~
アサガオは非常に有名な植物ですがヒルガオとなると少しマイナーな印象を受けます。どちらもヒルガオ科の植物で、昼に咲いて夜にはしぼむという面白い特徴があります。身近な所でも野生化しているのでこの筒形(実際には漏斗型)の花を探してみると意外なところで見つかるかもしれません。




ヒトリシズカ
(センリョウ科)

場所:森のわたり橋より先のスギ林
時期:3月下旬~4月
林床にひっそりと咲く可憐な花で、地味で目立たないため存在を知らない方も多いかと思われます。花のように見えるのは雄しべで、花びらと呼べるものを一切つけません。背丈も10cmちょっとの大きさなので意識して探す必要があります。この公園では結構見かけられるので植物を探す目を鍛えるのにおススメです。


フタリシズカ
(センリョウ科)

場所:森のわたり橋付近の林床
時期:5月中旬
ヒトリシズカより1月ほど後に咲きます。草丈が最大60cm程と大きく、また、花の茎の数も2本から4本程度と個性が見られます。4方向に広がる葉は実はわずかにずれているため、左右対に葉が付く対生(たいせい)という葉の付き方です。





ユズ


場所:ふれあい広場奥
時期:5月中旬
冬至の時にお風呂に入れるユズですが、花の季節は5月頃です。ユズの面白い所は葉にも見られます。葉を見つけたらその葉の付け根を見てみましょう。よく見ると小さな葉っぱがもう一枚付いています。ミカン科の仲間に見られる特徴ですがユズはこの下に付く葉がとても大きいです。また、ミカン科の多くが枝にトゲを持つためケガしないように気をつけましょう。



ナツミカン
(ミカン科)

場所:パークセンター付近
時期:5月中旬
園芸から食用まで馴染み深いミカン科の植物です。アゲハチョウの幼虫がミカン科の植物を好むため、パークセンター付近で見られることが多いです。葉には特有の香りがありますが、ユズと比べると青臭くあまりいい香りとは言えません。